文大統領“屈辱” 米韓首脳会談たった「2分」 北への制裁解除熱望も成果ゼロ
- 国際
- 2019年4月13日
ドナルド・トランプ米大統領が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談で「冷淡」姿勢を貫いた。北朝鮮への制裁解除や、南北共同事業再開を熱望する文氏に対し、トランプ氏は否定的見解を示したのだ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談についても、急がない方針を打ち出した。米韓首脳がサシで話した時間はわずか2分程度で、踏み込んだ交渉はできなかったとみられる。「大韓民国臨時政府発足100周年」という重要な記念日に、自国を留守にしてまで訪米した文氏だったが、ほぼ、「成果ゼロ」で終わったようだ。
「今は適切な時期ではない。(北朝鮮が『完全な非核化』をして)適切な時期を迎えれば、大きな支援が行われるだろう。韓国、日本、多くの国々も支援に手を挙げると考えている」
トランプ氏は11日午後(日本時間12日未明)、ホワイトハウスで行われた米韓首脳会談の冒頭、こう断言した。報道陣から、南北共同事業である開城(ケソン)工業団地や、金剛山(クムガンサン)観光再開について問われたことに対する回答だった。
昨年6月と今年2月に続く、正恩氏との3回目の米朝首脳会談についても、トランプ氏は「可能性はあるが、急ぐつもりはない」といい、米国の求めるビッグディールは「核兵器を取り除くことだ」と明言した。
「従北」の文氏には、「ゼロ回答」に等しい通告だった。
以前から、文氏は世界各国を訪問して、北朝鮮に対する制裁解除を呼びかけてきた。今年1月の年頭記者会見では、開城工業団地と金剛山観光の再開に意欲を見せていた。
同盟国の韓国に対し、「冷たすぎる」ようにも見えるトランプ氏の対応は、会談時間にも表れていた。
韓国・聯合ニュースによると、トランプ氏と文氏の2人きりの会談は29分間行われたが、報道陣との質疑応答が27分間続き、実際の会談は2分程度だったのだ。
決して、トランプ氏に時間がなかったわけではない。報道陣とのやり取りでは、ゴルフのマスターズ・トーナメントについて「誰が勝つと思うか?」と聞かれ、タイガー・ウッズなど有力選手の名前まで挙げて冗舌に答えていた。
トランプ氏の米韓首脳会談での態度について、米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「事実上、『韓国との首脳会談を拒否した』といってもいいぐらいの対応といえる。2分というのは、通訳の時間を入れたらゼロに近い。文氏は首脳会談前、マイク・ポンペオ国務長官や、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会っている。トランプ氏としては『文氏に伝えるべきことは2人を通じて言ってあるので、首脳会談では具体的なことを話す必要はない』ということではないか」と説明した。
韓国サイドでも開催前から、首脳会談の行方を心配する意見があった。
首脳会談の席には両大統領に加え、メラニア夫人と金正淑(キム・ジョンスク)夫人の姿があった。1泊3日の実務訪問に夫人を同行させることも、夫人同伴の首脳会談も極めて異例といえる。
この形式について、韓国紙、朝鮮日報(日本語版)は11日、社説で「北朝鮮制裁の緩和を望む文大統領と実質的な話し合いをするつもりはないからだとの印象を与える」として、「今回の韓米首脳会談が韓米同盟の決裂を防ぐ機会になることを祈るばかりだ」と指摘していた。
そもそも、今回の会談日程は、文氏には厳しいものだった。
11日は、日本統治下の1919年に、中国・上海で独立運動家らによる「大韓民国臨時政府」が設立されてから100周年にあたるのだ。過激な「反日」言動を続ける文氏にとって、ソウルで11日夜に行われる記念式典は晴れの舞台になるはずだった。
韓国情勢に精通するジャーナリスト、室谷克実氏は「トランプ政権が、会談日として11日を提示したのは意図的だ。文氏に対して『無理に来なくていい』というメッセージだったのではないか」と分析する。
案の定、トランプ政権に「冷遇」された文氏は、ほとんど成果のないまま帰国することになった。今後、米韓関係はどうなりそうか。
前出の島田氏は「北朝鮮による瀬取り取り締まりのため、米国は3月、沿岸警備隊の大型警備艦を朝鮮半島沖に派遣した。『韓国船舶が北朝鮮に協力している』との情報があり、派遣には『韓国の監視』という意味もある。米韓両軍の大規模軍事演習も3つすべてが中止されており、事実上、米韓同盟は空洞化したといっていい」と話した。
一言コメント
残念だろうけど、また日本に矛先を向けないでね。
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