福岡知事選 蔵内・自民県連会長が辞意表明 「麻生氏の私怨」払拭できず
- 政治・経済
- 2019年4月9日
福岡県知事選で、自民党推薦の武内和久氏は大敗した。麻生太郎副総理兼財務相の「私怨(しえん)による選挙」というイメージを最後まで払拭できなかったことが響いた。自民県連の蔵内勇夫会長は8日、責任を取って辞任する考えを表明した。
麻生、小川両氏の関係悪化は、平成28年の衆院福岡6区補選をきっかけに表面化した。麻生氏がこの遺恨から対抗馬を立てた、というストーリーが序盤から定着してしまった。
麻生氏は安倍晋三首相に閣僚辞任をちらつかせてまで、武内氏の党本部推薦をもぎとった。この結果、武内氏の「麻生色」が強まった。同時に、「麻生氏にいじめられている」と小川氏に同情が集まった。
麻生氏が「問われているのはリーダーとしての資質だ」と繰り返しても、有権者には届かなかった。
知事選と県議選の日程が重なったことも自民の組織を縛った。自民支持層にも「なぜ知事を代えるのか」という疑念は根強く、党と支持者の板挟みとなった県議は「自分の選挙に集中する」と、なりを潜めた。
党本部は武内氏へ推薦を出すにあたって、夏の参院選に影響を及ぼさないことを条件にした。しかし、党内対立は収まりそうにない。
麻生氏の影響力低下は免れない。一方、武田良太元防衛副大臣ら小川氏支援の中心となった二階派は勢いづく。二階派議員は「もう麻生さんの言うことを聞く人は、いなくなる。何回選挙で負けてるんだって話でしょ」と吐き捨てた。
自民県連は8日、幹部が集まり今後の対応を協議した。蔵内氏はその場で会長を辞する考えを示した。統一地方選後半戦を終えた22日から次期会長選考を始めるが、県連人事をめぐる混乱も予想される。
麻生派議員らは、今回の知事選で「造反」した議員の処分を求めるが、二階俊博幹事長は8日、「わが党にはなじまない」と否定的な考えを示した。
武田氏は7日夜、こう言い放っていた。「人様のことを考える前に、自分たちのことを考えた方がいいんじゃないですか」
一言コメント
雨降って地固まりそうにない。
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