メイ英首相に高まる辞任圧力 ロンドンで離脱反対の数十万人規模のデモも
- 国際
- 2019年3月25日
【ロンドン服部正法、矢野純一】英国の欧州連合(EU)離脱の行方が定まらない中、与党・保守党内で、党首で首相のメイ氏に対する辞任圧力が高まっている。英メディアには、多数の閣僚がメイ氏に辞任を求めることで一致したとの報道もあり、進退問題が急浮上しそうだ。ロンドンでは23日、EUからの離脱に反対する数十万人規模のデモが実施された。
英紙サンデー・タイムズ(電子版)は、首相に反旗を翻す閣僚らが25日にも、メイ氏に辞任を要請すると報じた。後任には副首相格のリディントン内閣府担当相らを推す声があるという。
リディントン氏は24日、英BBCに対し「閣僚は離脱合意案の実現を願っており、我々は全員、彼女を支持している」とメイ氏辞任の観測を否定し、「私は首相の座につく意思もない」と述べた。
EUとの離脱合意案についてメイ氏は、3度目の採決を目指す。過去2度の採決で反対した離脱強硬派から支持を得ることが、可決の最低限の条件だ。ロンドン北部地区の保守党関係者は「メイ氏の辞任と引き換えに離脱合意案の採決で支持に回るように説得しない限り、党内はまとまらないだろう」と語る。
保守党では昨年12月、メイ氏に対する不信任投票が実施されたが、賛成117票、反対200票で不信任は成立しなかった。党の規定で、1年間は不信任投票を再実施できないため、メイ氏が自ら辞任する以外に手段はない。
一方、英議会のウェブサイトに寄せられた離脱撤回を求める署名は24日朝、480万人を超えた。23日の離脱反対デモでは、参加者らが「第2の国民投票」などを求めた。主催者側は参加者を100万人超と推計している。
参加した会社員のポール・フェルディナンドさん(59)は「(離脱問題の)解決のため指導力を政権は発揮できていない。穏健な人々の声を聞くべきだ」と国民投票の再実施を求めた。元教師のダニエル・ペンさん(43)は「EUは、隣国との戦争の歴史を平和の歴史へと変えた。妹はスウェーデンに住んでいる。次の世代でもそういうことが当たり前であってほしい」と欧州統合の歩みを評価した。
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