ノジマ社長、社内ネットで実名挙げ「使い物にならない」
- 企業・経済
- 2019年3月15日
家電量販店ノジマ(横浜市、東証1部)の野島広司社長(68)が、子会社の社員の実名を挙げて「使い物にならない」などと責めた文書が子会社のイントラネットに昨年8月に掲載されたことがわかった。この社員は昨年末に退社した。ノジマは「社員教育の一環」とするが、専門家は、国が企業に防止策を義務づける方針のパワーハラスメント(パワハラ)にあたると指摘している。
子会社は、携帯電話販売代理業「アイ・ティー・エックス」(東京)。ノジマが2015年に買収して完全子会社化し、野島氏が社長を兼ねている。
複数の関係者によると、この文書は昨年8月28日、野島氏のこの日の朝礼の発言として、全従業員約2千人(18年3月時点)が閲覧できる社内連絡用のイントラネットに掲載された。
西日本地区の店舗を視察した時の話として、店長の社員を名指しした上で「こんなひどい店長がいるのかと思うぐらいのひどい店長でした。非常に騙(だま)すのが上手(うま)く、やるやる詐欺と、どうやって上司に認められるか、ということだけを考えているようで、この子は使い物にならない人だなというのが私の見立てでした」と記されている。
さらに、「(店長の)元部下だったという一人の女性が『(店長は)ロクな人ではなかった』と話していたので、あなた(女性)の方が凄(すご)いねと褒めてあげたいぐらいでした」と他の社員からの伝聞の形でも店長を責め、「人のまねをしたり噓(うそ)をついたりする方々を、皆さん見抜けるようになってください」「是非(ぜひ)とも格好つけでなく、お客様に真面目に向かって行動し、心を正して進めてください」と呼びかけている。
ノジマ総務部は取材に対し、問題の文書を載せた目的を「代表の野島が感じた事を率直に話し、それを文字に起こしたもの。社員教育の一環として啓蒙(けいもう)するために、従業員に対して良い事例も悪い事例もオープンにするため」とした。
パワハラとの指摘に対しては、「精神的・身体的苦痛を与える意図ではなかったが、今回は該当者が気分を害す表現であったかもしれず、今後は従業員に対するメッセージや、その表現についてこれまで以上に配慮する」としている。
一言コメント
企業体質を如実に表している事案といえる。
コメントする