ゴーン氏保釈「そう遠くない」、監視カメラ提案し請求=弘中弁護士
[東京 4日 ロイター] – 日産自動車<7201.T>の前会長、カルロス・ゴーン被告(64)の弁護を務める弘中惇一郎弁護士(73)が4日、日本外国特派員協会で会見した。保釈請求でゴーン被告が外部と情報交換できないよう監視カメラなどの使用を提案したことを明らかにし、同被告が「そう遠くない時期に保釈されると思う」との見方を示した。
弘中氏らの弁護団は2月28日、同弁護団としては初めて、前の弁護団の分も含めると3度目となる保釈を東京地裁に請求した。1月に行った前の弁護団による2度の保釈請求はいずれも却下された。
昨年11月19日の逮捕後から担当していた元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士らは2月13日付で辞任し、弘中氏らが新たなゴーン被告の弁護団として選任された。
弘中氏は、保釈請求にあたり、ゴーン被告が外部と情報交換ができないような環境を維持するため、コンピューターや監視カメラの使用などを具体的に提案していると説明。「これまでの経過を踏まえて、証拠の隠滅や逃亡が疑われないように、私なりの説得力ある保釈申請をしたつもりだ」と述べた。
このタイミングで保釈を請求した理由については、ゴーン被告に「何としても保釈を得たいという強い気持ちがある。保釈は(ゴーン被告の)権利であり、当然認められるべき」と述べ、「戦術的に早めに保釈申請した」と話した。再び却下されれば、準抗告する方針だ。
ゴーン被告の健康状態は「相変わらず元気を維持しているという印象を受けた」と語った。一方、同被告の拘留期間は4日で100日を超えており、海外からの批判が特に強まっている。弘中氏は、自身が弁護士になったころに比べ、拘留期間が「だんだん長くなっている」と指摘。検察が有罪にできるだけの証拠に対する自信の弱さから「被告の防御権を弱くしようとして拘留を長引かせる。極めてアンフェアだ」と問題視した。
弘中氏は弁護を引き受けてから日がまだ浅く、「大胆なことは言えないが、無罪になってもおかしくない」との見解を示した。「道義的なレベルでもゴーン氏が責められる点があるとは思っていない」と説明し、「日本の裁判官を説得できると思っている」と自信を見せた。
これまで数々の無罪判決を勝ち取ってきた弘中氏は、検察側の証拠や構図の矛盾点を鋭く突くことから「カミソリ弘中」などの異名を取る。弘中氏は、自身が「73歳になったが、まだ『カミソリ』の切れ味があるかどうかを試してみたい」とも語った。
弘中氏は、厚生労働省の郵便不正事件で文書偽造などの罪に問われた村木厚子・元事務次官や、資金管理団体「陸山会」を巡る事件で強制起訴された小沢一郎・自由党代表の無罪判決を勝ち取った経験を持つ。
ゴーン被告は会社法違反(特別背任)と金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴されている。
一言コメント
確かに拘留が長すぎるような気もする。
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