駅前4度目の“百貨店閉店”に「残念です」
- 企業・経済
- 2019年3月1日
JR小倉駅(北九州市小倉北区)前の好立地にありながら、人口減少や高齢化で売り上げが減り、小倉そごう、小倉玉屋、小倉伊勢丹に続く4度目の「百貨店閉店」となった「コレット」。11年前の開店時から働く女性社員は「涙が出るが、前を向きたい」と思い出を胸に、28日の「最後の営業日」を迎えた。
2008年の開店時から働く地元出身の社員、川本光代さん(39)=小倉北区=は28日午前10時、2階の正面玄関で目に涙を浮かべながら「いらっしゃいませ」「おはようございます」と声を掛け、買い物客を出迎えた。その後はいつものように、インフォメーションに立ち、買い物客のさまざまな問い合わせに応えていた。
コレットが入居するビルの近所で生まれ育ち、1993年10月に小倉そごうが開店した時は最先端のビルやエスカレーターを見て「都会になった」と心を躍らせた。その後、美容師の道を諦めて小倉伊勢丹(04年2月開店)の派遣社員として働き始め、コレット開店時(08年4月)にコレットの正社員となった。
ギフトサロンや外商などさまざまな部署を経験。発声や表情、立ち居振る舞いなどデパートならではの接客に磨きをかけてきた。それだけに昨年7月の閉店発表には、自分を育ててくれた店がなくなることを思うと言葉にならなかった。「小倉駅前のにぎわいを消してはならないと地域の人たちと守ってきた百貨店。残念です」
閉店後しばらくしてから約500メートル離れた井筒屋本店に籍を移す川本さん。「お客さまや同僚の支えがあって今の私がある。店のことを考えると涙が出るが、くよくよしてはいられない。ここで得た知識や経験を胸に頑張りたい」と新たなスタートに向けて決意を語った。
◇JR小倉駅前の百貨店の変遷
1993年10月 小倉そごう開店 → 2000年12月閉店
2002年3月 小倉玉屋 開店 → 02年12月閉店
04年2月 小倉伊勢丹開店 → 08年3月閉店
08年4月 コレット 開店 → 19年2月閉店
一言コメント
果たして5度目の開店はあるのか?
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