九電1~2%値下げ、国に届け出方針 西部ガスも対抗へ 業界競争激化か
- 企業・経済
- 2019年2月27日
九州電力が4月にも計画する電気料金の値下げについて、一般的な家庭では1~2%程度で調整していることが25日分かった。法人向けも含め幅広い料金プランを値下げする。26日に決定し、国に届け出る方針。西部ガスも25日、販売する電気料金を値下げする方針を明らかにした。電力小売り全面自由化から間もなく3年。大手の値下げで業界の競争が激化しそうだ。
九電は家庭向けの主力料金プラン「従量電灯B」のうち、毎月の使用電力量に基づく「電力量料金」を1~2%程度引き下げる方針。契約数は九州の約400万件で、3月のモデル家庭(月250キロワット時使用)の料金は6620円。使用量が月300キロワット時を超える分の単価を低く設定した「スマートファミリープラン」といった自由化プランも合わせて値下げする。
九電は2013年5月、東日本大震災後の原発稼働停止に伴う経営悪化を受けて33年ぶりに値上げを実施。同年7月以降に想定していた川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)、玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の再稼働は、昨年実現した。原発4基が年間を通じて安定的に稼働する体制となって財務改善の見通しがつき、コスト削減など経営効率化も進んだため、値下げの余地があると判断したとみられる。
自由化以降、九電から西部ガスを含む新電力への契約切り替えが進んでおり、「離脱した顧客を取り戻すなどして(値下げに伴う減収分を)カバーする」と九電幹部は語る。
一方、16年から家庭用電力を販売する西部ガスは、九電の値下げを踏まえ、同時期に料金を値下げする方針だ。値下げ幅は九電と同程度とし、九電より割安になる対象の拡大も検討している。
エネルギーの小売り自由化で、西部ガスと九電は電力、ガス双方で顧客の獲得競争を続ける。西部ガスが九電から獲得した電気契約と、九電が西部ガスから獲得したガス契約は、1月末時点で共に約8万件。九電への“対抗措置”を迅速に打ち出すことで、顧客流出を食い止める狙いだ。
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消費者にとっては朗報だ。
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