紀平梨花、左だけ“サブシューズ”を緊急投入…右が金、左が銀の色違いエッジ
- スポーツ
- 2019年2月6日
【アナハイム(米国)4日=高木恵】フィギュアスケートの四大陸選手権は7日(日本時間8日)に米国・アナハイムで開幕する。シニア1年目でGPファイナルを制した紀平梨花(16)=関大KFSC=は4日、ロサンゼルス郊外のリンクで練習。昨年末の全日本選手権後に新調したスケート靴は、3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を踏み切る左が負荷の積み重ねで軟化。左だけ“サブシューズ”を緊急投入し、右が金、左が銀の色違いエッジで大会に臨むことになった。
紀平の足元が異なる色彩を放っていた。前日3日までは金色だったスケート靴のエッジが、左足だけ銀色に変わっていた。足首付近が軟らかくなりすぎた左足だけ、まだ数回しか試したことがない“サブ”を急きょ投入。異例のエッジ2色使いで今大会を戦うことになったが「(エッジは)両方金がいいけど、しょうがない。前のよりは跳びやすい」。16歳は落ち着いていた。
スケーターにとって、靴は命。時間をかけて足になじませても、寿命はやってくる。昨年末の全日本選手権は足首付近をテープで固定して滑り、大会後に満を持して靴を新調した。最近は紀平にとってのラッキーカラー、ゴールドのエッジを愛用している。1足は金色のものを用意出来たが、もう1足は間に合わずにシルバーのエッジを装着。1月は“エース”の金エッジで滑り込んできた。
トリプルアクセルを踏み切る左足は、大きな負荷がかかるため傷むのが早い。大技を組み込むまでは半年持っていた靴が、今では長くて3か月で踏み切りでの踏ん張りが利かなくなるようになった。1月にコロラドで合宿を行うなど、かなりの練習量を積んできたこともあり、わずか1か月でアクセルジャンプの踏み切りに耐えられなくなってしまった。
ショートプログラムを3日後に控えたこの日は2時間と1時間の計3時間練習し、合わせて18本のトリプルアクセルを着氷させた。終盤にはNHK杯、全日本選手権でも成功している3回転トウループをつけた連続ジャンプを決めるなど、必死の調整が実を結びつつある。「全日本選手権以来の試合なので、しっかり気合を入れて、自己ベストを更新したい」。ハプニングにも動じないファイナル女王が、金色のメダルに向かって跳ぶ。
◆四大陸選手権 欧州を除くアフリカ、アジア、アメリカ、オセアニアの4つの大陸の選手が出場資格を持つフィギュアスケートの国際大会。
一言コメント
今年もさらに進化してもらいたい。
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