10連休、身構える株式市場=想定外リスクに懸念-取引所、過去最長の休場
- 企業・経済
- 2019年2月3日
皇位継承に伴う4月下旬からの10連休は、東証など国内株式市場も休場する。銀行が休業して株式売買などの決済ができなくなるためだ。だが、海外市場では通常通り取引が行われている。市場急変など想定外のリスクへの懸念は強く、過去最長となる10日連続の休場に証券関係者は身構えている。
国内株式市場の連続休場はこれまで8日間が最長で、年内の取引最終日に当たる大納会が12月28日だった1986年~87年の年末年始までさかのぼる。大納会の日が現在と同じ原則12月30日となってからは6日間が最長だ。
昨年から今年にかけての年末年始も6連休だったが、海外市場で株安や円高が進行し、1月4日の大発会では株価が急落した。情報が瞬時に伝わり、超高速取引が進む現在は、80年代までとは様変わりし、長期休場のリスクは増している。
「影響がないわけがない」。大手証券の国内株担当者は頭を抱えている。10連休の真っただ中に海外の重要な発表が続くためだ。4月30日~5月1日には米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)が予定され、「金融引き締めなら株安になる」(大手証券)のは必至。5月3日には米雇用統計も控える。各社は急激な価格変動の影響を回避したり軽減したりする備えを進める方針だ。
個人投資家にも不安は広がっている。国内証券の多くは休業してシステムを停止するため、国内株だけでなく外国株も売買できなくなる。大和証券グループ本社の小松幹太専務は、連休中の対応などについて「営業員からお客さまに徹底して周知したい」と話す。国内株に関する有効な対策はほぼなく、「リスクを取りたくなければ連休前に現金化しておくのが一番」(銀行系証券)という。
外資系証券の幹部は「日本は海外に比べ祝日が多い。売買機会が減るのはリスクで、日本株を敬遠する動きにつながりかねない」と憂慮する。
4月下旬~5月上旬は、上場企業の決算発表時期。東証は連休前後に発表が集中することを避けるため、決算期末から45日以内の開示を求めたルールを弾力的に運用すると企業に通知した。
一言コメント
投資家にとってはうれしくないだろうね。
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