Googleマップの情報を勝手に改ざん 銀行に電話をしたつもりが振り込め詐欺に…被害どう防ぐ?
- 詐欺・悪徳商法
- 2019年2月3日
Googleマップを悪用した新種の振り込み詐欺が増えているといわれています。ユーザーが「情報の修正を提案」できる仕組みを使い、地図上に表示される銀行の電話番号を勝手に改ざん。ユーザーがその番号に電話をすると、悪意をもった犯人につながってしまい、暗証番号を聞き出されるなどの被害を受けてしまうこともあるそう。この場合、被害者は自ら銀行だと思って電話をかけているため、まさか自分がだまされているとは気が付きにくいそうです。このような被害にあわないために、私たちはどのようなことに気をつければよいでしょうか。ITジャーナリストの三上洋氏に聞きました。
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Googleマップなど地図サービスを悪用した詐欺は「リバースビッシング」と呼ばれる。インドで多く発生していたが、最近は日本を含めたアジア太平洋地域全域に広がりつつあると、最近も情報セキュリテイ企業が警鐘を鳴らしていた。ビッシングとは電話など音声を使ったフィッシング詐欺のことで、振り込め詐欺の一種といえる。犯罪者側が電話を受けるためリバースという表現が使われている。
かねてから、Googleマップに表示されている情報が書き換えられるトラブルは多く起きている。お店の電話番号や営業時間を何度も書き換えられ、正しく直しても間に合わない、いたちごっこのようになってしまったケースもあるという。
Googleマップに表示する情報は、「Googleマイビジネス」というサービスを通して、お店や企業のオーナーが自分たちの情報を登録できるようになっている。オーナーは郵便などで本人確認をした上ではじめて情報が入力できる。一見しっかりとした仕組みだが、それらの情報が表示されるマップ側には、一般ユーザーだれもが「情報の修正を提案」できるボタンが用意されている。実際に、入力された修正情報が地図に反映されるかどうかはGoogleの判断だが、問題のある修正がいくつも起きているという。
度重なる修正に困ったオーナーがGoogleに問い合わせたケースもあるが、「オーナーと利用者両方の声を聞いて判断している」「全ての一般ユーザーが閲覧や提案を行う権利が平等にある」などと回答しているようだ。情報を修正するかどうかは、人力ではなく自動のプログラムで判断していると思われるが、オーナーよりもユーザー側の提案に、重みが置かれているアルゴリズムに問題があるように考えられる。
Googleのサイト全体を見てみれば、ほとんどがユーザー自身でつくりあげているコンテンツだ。ネットにあふれている「みんながそう思っていること」をサイトに反映させているだけで、それは公式情報でも正式情報でもない。Googleのサービスを使うときには、そのことに留意しながら利用するべきだ。
Googleマップの情報は、悪意ある人の手で書き換えられる可能性があり、必ずしも信用できるわけではない。大切な電話をかけたりする際は、表示された情報のみに頼らず、公式サイトなども見て確認したい。
ただ、スマホでGoogleマップを開くと、表示された電話番号をタップするだけで、そのまま電話をかけられてしまう。ここまで簡単にユーザーが使ってしまうインターフェイスを提供している以上、Googleは提供している情報の信頼度をもっと上げるべきだ。
そのためにGoogleは、マップの情報修正のアルゴリズムを見直し、オーナーが登録した情報を重く扱い、いたずらや悪意のある修正が入りづらくなるようにしたほうがよいだろう。一方、情報を登録したオーナー側も、情報が勝手に変更されていないか、随時チェックしてほしい。
一言コメント
便利だが相応の注意も必要だ。
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