噴火による津波、予測困難=気象庁も警報出せぬ恐れ-インドネシア被害1カ月
- 政治・経済
- 2019年1月28日
インドネシア・スンダ海峡で昨年末に起きた津波は発生から1カ月が過ぎた。
火山島が崩れて津波が起きたとみられ、現地で警報が出されなかったことで被害が広がった可能性が指摘されている。地震以外で起きる津波は予測が難しく、火山の多い日本にとっても改めて課題が示された形だ。
今回の津波は、噴火をきっかけに火山の斜面が大きく崩れ、近くの海になだれ込んだことが原因とされる。現地を調査した東北大災害科学国際研究所の今村文彦教授は「津波は平均3~4メートルの高さと推定される」と分析した。
噴火に伴う津波被害は、過去に日本でも起きている。気象庁によると、北海道松前町の沖合にある渡島大島は1741年に噴火し、山体崩壊が起きて津波が発生。沿岸の約1500人が死亡した。1792年には雲仙岳(長崎県)の火山性地震で近くの山が崩壊し島原湾に流入。発生した津波が対岸の熊本県側にも押し寄せ、約1万5000人が犠牲になった。
噴火が原因で起きる津波は、甚大な被害を出す恐れがあるが、到達前に警報を出すのは難しいのが現状だ。気象庁の津波警報は、地震の規模や震源などに基づき津波の有無を推定し発表する仕組み。一方、噴火による津波は海に流入する土砂が原因で、「流入量も分からず、予測手段は確立していない」(同庁担当者)という。海底火山も噴火場所が確認しづらく、津波の予測は難しい。
気象庁は、監視カメラで火山の崩落を確認したり、周辺の検潮所で津波を観測したりした場合など、何らかの情報が出せるように努めるという。
今村教授も予測の難しさを指摘した上で、「噴火の前兆があった際、火山近くの海に波高計を設置するなどの対応は考えられる」と話した。
一言コメント
日本でもあり得るというのはショッキングだ。
コメントする