株「回転売買」横行…手数料総額6400万円も
- 詐欺・悪徳商法
- 2019年1月21日
証券会社が株売買の委託手数料を稼ぐため顧客に株を短期間で買い替えさせる「回転売買」が横行し、証券取引等監視委員会が警戒を強めている。顧客は外国株の取引で損失を出す高齢者が目立ち、監視委は昨年10月に準大手証券会社に業務の改善を要請した。今後、証券各社への立ち入り検査を強化する。
■「顧客を道具に」
「販売員にうまく乗せられ、資産の多くを手数料で持っていかれた」。昨年7月までの約6年間、準大手証券会社を通じて外国株などの売買を繰り返した東京都内の女性(74)は憤る。
女性は2011年、死亡した夫から4000万円相当の大手企業株などを相続。投資経験はなかったが、弔問に来た証券販売員から「財産は有効活用しないと損ですよ」と勧誘され、相続した株を外国株に買い替えるなどし、計約1億4000万円分を投資に充てた。
損失が出ても販売員の上司らから「会社のチームが支えるから大丈夫」と言われ、外国株や新興企業株の短期売買を繰り返した。だが、損失が膨らみ、弁護士に相談。それまでの取引を計算すると、利益はほぼ出ていないのに委託手数料の総額は約6400万円にも上っていた。
女性から相談を受けた弁護士は取材に「まっとうな取引ではなく、顧客を手数料稼ぎの道具としか見ていない」と証券会社を批判。一方、同社は「コメントできない」としている。
一言コメント
ここでも高齢者が標的にされている。
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