ワンピース」像、うちにも=漫画キャラ、市町村が争奪戦―「被災地に元気を」熊本
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- 2019年1月7日
人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の主要キャラクター「麦わらの一味」の像を設置する計画が熊本県で進んでいる。
熊本地震の復興支援策の一環で、設置場所は県と出版元が決めるが、「人気作品の力で住民を元気づけたい」と31市町村が争奪戦を繰り広げている。
同作品は「海賊王」を目指す主人公「ルフィ」と「麦わらの一味」と呼ばれる仲間の活躍を描く少年向け漫画で、単行本の累計発行部数は4億4000万部を超える。熊本市出身の作者尾田栄一郎さんは地震後、イラスト提供や計8億円の寄付などで故郷を支援し、県民栄誉賞も授与された。
県はルフィの像を県庁敷地内に設置し、2018年11月の除幕式には約1500人のファンが訪れた。他の仲間8人の像は県内各地に建てることになり、希望する市町村を募った。
これに全体の7割近い31市町村が名乗りを上げた。設置場所には「復興につながるストーリー」「設置後の活用策」などが求められるが、県は具体的な選定基準を明かしていない。地震から3年となる19年4月ごろまでに決めたい考えだ。
応募自治体の間では、被害の大きかった地域は選定されるとの見方が強く、他の市町村は知恵を絞る。上天草市は、船を模した展望台がある公園に設置を計画。「天草の海が一望できる場所。船上でコックをしている『サンジ』にぴったり」(堀江隆臣市長)とアピールする。
南小国町は「霧が立ち込める町内の瀬の本高原こそ、霧の中から初登場した『音楽家ブルック』にふさわしい」と提案した。観光客誘致の起爆剤としての期待も大きく、自治体は地元の名所とキャラクターを絡めた売り込みに心を砕いている。
震災の傷痕は深く、阿蘇市では鉄道や国道の寸断が解消されていない。同市の秦美保子観光課長は「学生は朝早くから代行バスで通学し、観光客数は落ち込んでいる。市民を明るくする力が欲しい」と像の設置を訴えた。
一言コメント
くまモンの次はワンピース?
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