大阪知事・市長、辞職意向 都構想巡り 統一選とダブル選か
- 政治・経済
- 2018年12月24日
来年11~12月の任期満了に伴う大阪府知事と大阪市長のダブル選が、前倒しされ、来年4月の統一地方選と同日選となる公算が大きくなった。大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」の住民投票の実施時期について、大阪維新の会(代表・松井一郎大阪府知事)と、府・市議会の過半数の鍵を握る公明党との調整がつかなかったため。松井知事と吉村洋文・大阪市長は、事態が動かないとみて、辞職に踏み切る方針を近く表明する模様だ。
関係者によると、松井知事、吉村市長ら大阪維新の会と、公明府本部の複数の幹部らが今月21日に会談し、都構想の住民投票の実施時期について協議したが、物別れに終わった。松井知事らは府・市議選がある4月7日と同日選になるよう、知事・市長を辞職し、住民投票実施の是非を争点にする狙いがあるが、他会派からは強引な手法に反発が出るのは必至だ。
公選法の規定で、任期中に辞職し、出直し選で辞任知事・市長が再選された場合の任期は4年ではなく、残る任期だけになる。このため、ダブル選は松井知事、吉村市長の出直し選とは限らず、吉村市長の知事選出馬案など、別の候補になる可能性もあるという。
維新は、住民投票の実施時期について、当初今秋を目指していたが、制度案を議論する法定協議会(法定協)の議論の進行が遅れて断念。さらに、統一選との同日実施も検討したが、日程的に極めて困難となり、来夏の参院選との同日を目指すことに転換し、公明に決断を迫っていた。
会談で、参院選に集中したい公明側は「参院選での同日実施は認められない」とした上で、参院選終了後、任期満了に伴うダブル選までの間の実施を目指す案を打診。これに対し、現在の議会構成のうちに住民投票実施の確約を取り付けたい松井知事らは、参院選での同日実施を譲らず、決裂したという。
維新は府市両議会で第1会派だが、過半数には届いていない。住民投票の実施には、都構想には反対だが、議論には応じるスタンスの公明の協力が不可欠だ。法定協は昨年6月、両会派の合意で再設置が決まり、公明が主張する「総合区制度」と合わせて協議が始まったが、議論の停滞で年度内の日程確定は困難になっていた。松井知事は今月5日の定例記者会見で、公明の法定協の対応を「ボールは公明にあるが、引き延ばし工作をして上手にごまかそうという雰囲気がありありだ」と責め立て、出直し選に踏み切る可能性を否定しなかった。
仮に4月の知事・市長選で維新候補が勝利しても、府議・市議選で維新が単独で過半数を得られなければ、都構想は頓挫する。都構想を巡る両会派の駆け引きは大詰めを迎えた。
一言コメント
勝算はあるんでっか?
コメントする