工藤会、本部売却へ 襲撃事件の賠償に 福岡
- 政治・経済
- 2018年12月19日
福岡県警が頂上作戦を進めている特定危険指定暴力団工藤会が本部事務所(北九州市小倉北区)の土地・建物を売却する方向で検討していることが、捜査関係者らへの取材で分かった。市民への襲撃事件でトップ、野村悟被告(72)らが被害者側から損害賠償を求められており、売却金を原資に充てたい意向。象徴的な建物が閉鎖すれば弱体化が進むとみられるが、県警は組員の活動は続くとして警戒を続ける。
土地・建物の固定資産税が数年分滞納され、北九州市が買収や差し押さえなどの対応を考えている。同会側は県警などを通じて具体的な売却先を検討するとみられる。
本部事務所は野村被告が代表取締役を務める会社が所有し、長年、幹部らの会合などに使われてきた。平成26年に始まった頂上作戦以降、暴力団対策法に基づく使用制限命令が出ており、事実上「空き家」状態となっている。
同会は、野村被告の出身母体で、小倉北区の繁華街にある2次団体・田中組の事務所や被告所有の駐車場の売却も検討する。
県警は26年9月、元漁協組合長射殺事件で野村被告を逮捕。元警部銃撃や看護師・歯科医襲撃事件などでも起訴され、福岡地裁は今年7月、上納金を巡る脱税事件で実刑判決を出した。元組合長の遺族や歯科医、元警部は約2900万円~約8300万円の損害賠償を野村被告らに求め、民事訴訟や損害賠償命令制度に基づく申し立てを地裁にしている。
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また一歩前進だ。
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