2017年度のシカやイノシシなどの野生鳥獣肉(ジビエ)の利用量が1629トンと、16年度比で27.0%増えたことが15日、農林水産省の調査で分かった。健康志向の高まりに加えて、加工施設の増加が農村を悩ます野生鳥獣の有効利用につながった。だが取引単価が下がったため、販売額は約4%増にとどまっており、農村への経済的還元の拡大が課題となりそうだ。

畑を荒らす野生鳥獣による農作物の被害額は年間約200億円に上る。農水省はジビエ需要拡大に伴う捕獲量の増加で、農作物被害の軽減と農村の所得増の一石二鳥を狙っている。