マラソン中に国旗渡され落とした選手、優勝逃し物議 中国
北京(CNN) 中国の蘇州で開催されたマラソンで、同国の女子選手がゴール前に国旗を渡され、その直後に落とした場面が物議を醸している。
18日のレース中、中国の何引麗(ホーインリー)選手(30)がトップのエチオピア選手を追い抜こうとしているところへ、「ボランティア」を名乗る沿道の男性が駆け寄り、中国国旗を渡した。何選手は旗を手にしたまま数秒間走ったが結局地面に落とし、そのまま走り続けた。
中国中央テレビ(CCTV)が流した実況映像によると、この前に別の「ボランティア」が国旗を渡そうとしたが、何選手は受け取っていなかった。
レースはエチオピアの選手が優勝し、何選手は引き離されて2位に終わった。
実況の解説者は「今は優勝を目指して走ることが一番重要」「選手が歯を食いしばっているのに、横から出てきた者が走りに影響を与えた」と批判。ゴールの後では「あまりにも残念な結末」とコメントした。
インターネット上では国旗を渡した男性を非難し、何選手が優勝を逃したことを惜しむ意見が目立つ一方、「愛国心に欠ける」と同選手を非難する声も上がった。
あるマラソン選手は中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に「映像を見ると、何選手は国旗を丸めて投げ捨てている。レースの結果は国旗よりも大事なのか」と書き込んだ。
何選手はウェイボを通し、「国旗が濡れていて自分の腕がこわばっていたため、滑り落ちてしまった」と説明して理解を求めた。
CCTVは「スポーツ選手にとっては勝つことが愛国」との立場を示した。
中国では公の場で国旗を侮辱した場合、最大で禁錮3年の刑を科されることがある。
中国の選手は国旗をまとってゴールインする決まりがあると伝えられ、これにも批判が集まっている。
一言コメント
常識の違いを感じさせる出来事だ。
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