「新卒社員が足りない!」2019年卒の就活も企業側が苦戦
- 企業・経済
- 2018年11月9日
2019年卒採用の就職活動でも依然、企業が採用に苦戦していることが、マイナビが国内企業約3000社に対して実施している調査で、明らかになった。
マイナビによると、企業の募集人数に対し、どれだけ内定者を確保できているかを示す「採用充足率」は前年比1.4ポイント増の84.4%で、この10年で最低だった2018年卒からほぼ横ばい。同期間では依然、低迷している。学生の売り手市場は続いている。
採用活動の印象を企業に聞いたところ、「昨年より厳しかった」が約45%、前年並みに厳しかったが46%で、9割以上の企業が「厳しかった」と振り返っている。
厳しかった理由としては、
・母集団の確保(70%)
・辞退の増加(42%)
・セミナー動員(40%)
の順番で、高かった。内定以前に、一定量の学生を集めることから苦戦している様子が伺える。
企業の採用充足率が低迷する背景として、リサーチ&マーケティング部の小林裕貴さんは「時代背景を踏まえた人材不足」を上げる。
「この数年は、団塊世代など上の世代が、退社や非正規社員化する数が増えています。さらに、採用の底だった2000年や2001年に採用を手控えたことが影響し、景気回復にもかかわらず、企業は慢性的な人手不足。採用意欲が高まっているのに、社内の人員バランスが崩れていることが、常に人材が足りない状態を生み出しています」と、分析する。
内々定後の辞退率は「前年より高かった」が34.0%、昨年並みが4割程度。約7割の企業が、昨年同様かそれ以上に高い辞退率に苦悩しているもよう。
上場企業であっても、4割が「前年より内々定後の辞退率が高かった」と回答。採用確保は、会社の規模を超えて、共通の課題となりつつある。
こうした採用の不足感を踏まえて、秋以降の採用活動を「継続する」企業も、6割近くにのぼっている。マイナビの調査時点(9~10月初旬)の段階では、57%の企業が「今後も採用を継続する」と回答。
理由として、「内定者の不足」(67%)、「良い人材がいたら追加採用したい」(40%)が、上がった。希望するボリュームでの採用が、果たせていない状況が浮き彫りになった。
2020年卒の採用は、さらに採用難を見込んでいる企業が多い。「非常に厳しくなる」「厳しくなる」の合計が前年比2.5ポイント増の76.4%で、2019年卒以上に厳しい採用環境を予想する企業が増えている。
2020年に重点を置く採用方法としては、採用には直結しない「体験型インターンシップ」の受け入れが前年比10ポイント以上増加の41%と目立って増えている。
リサーチ&マーケティング部の小林さんは「インターンシップの存在感が今後、ますます大きくなる。実際の採用活動の前に、いかにインターンシップで学生に知ってもらっているかという、企業広報の姿勢が問われるでしょう」と、話している。
一言コメント
中小企業は特に深刻だ。
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