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<詐欺>架空請求 古典的な「はがき」に回帰 法務省かたる


 公的機関を装ったはがきを送りつけ、訴訟を示唆して現金をだまし取ろうとする架空請求が横行している。和歌山県消費生活センターに今年度上半期(4~9月)に寄せられた相談は630件(速報値)に上り、昨年度から高止まりの状況が続く。捜査逃れを図る詐欺グループが、近年の取り締まり強化を警戒し、「はがき」という古典的な手口に回帰したとの見方も出ている。【黒川晋史】

センターによると、相談は2016年度は11件にとどまっていたが、17年9月ごろから急増。17年度の相談は1年間で計700件に達した。今年4月以降も相談は止まらず、高額の金銭を実際にだまし取られるケースも出てきている。県警によると、9月には和歌山市の70代女性がはがきをきっかけに訴訟取り下げ名目で現金を要求され、計約3700万円を詐取された。

はがきの多くは「法務省管轄支局」を名乗り、「契約不履行で訴状が提出されている」「連絡がない場合は給与や不動産を差し押さえる」など相手を不安にさせる内容が書かれている。さらに「裁判の取り下げ」を希望する場合の問い合わせ先も記されている。

県警生活安全企画課は「あえて抽象的な文面にしているのが特徴」と解説。はがきの受け取り主を「トラブルの詳細を知りたい」という思いにさせ、問い合わせ先に電話するよう仕向けているとみられる。

実際に電話をかけると、「有料サイトの利用料が未払いになっている」「老人ホームの入居権がある」など、うその名目で金銭を要求される。

こうした手口が増えている背景について、ある捜査幹部は「グループが自ら電話をかけるより、捕まるリスクが低いと思っているのでは」とみる。これまで特殊詐欺は、電話役の複数の「かけ子」がマンションなどの一室に集って、多数の電話回線から手当たり次第に電話をかけるケースが目立った。そのため、電話の履歴をたどる捜査で逮捕に至る例も多かった。

しかし、はがきを送って電話を待つ手口なら回線が一つで足り、詐欺グループ内のメンバーも少なくて済むことから捜査が及びにくい可能性があるという。捜査幹部は「詐欺グループは警察の動向を見て、捜査を逃れるために次々と手口を変えてくる。そうした流れの中で、はがきを送りつける方法が横行しているのだろう」と話す。

県警は実際に送りつけられたはがきを拡大印刷したチラシを配るなど、注意喚起に力を入れる。法務省は「訴状が提出されたことについて法務省から通知することはない。はがきの電話番号には絶対に連絡しないでほしい」と呼びかけている。

問い合わせは最寄りの警察や消費者ホットライン(188)まで。

毎日新聞

 

 

一言コメント
犯人は厳罰に処してもらいたい。

 

 


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