<証券監視委>ADK、インサイダー取引疑い 元役員関与か
- 不祥事
- 2018年10月26日
米投資ファンドによる広告大手「アサツーディ・ケイ」(東京都港区・ADK)の株式の公開買い付け(TOB)を巡って、ADKの元執行役員がインサイダー取引に関与した可能性があるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反の疑いで関係先を強制調査したことが25日、市場関係者への取材で判明した。
関係者などによると、元執行役員は2017年10月に公表された米投資ファンド「ベインキャピタル」によるTOBに関する情報を公表前に知人に伝え、知人がADK株を取引した疑いが持たれている。元執行役員は営業担当だったが、監視委が今夏に強制調査した直後、退職した。
ADKは16年から、非上場化に向けてベイン社などと複数回の協議を行い、ベイン社はTOBを17年10月2日に公表した。TOBは12月6日まで実施され、ベイン社は同7日に「成立した」との報告書を関東財務局に提出した。TOBの際の1株の価格は3660円で、直近の3カ月の終値の平均値より24.3%高く設定していた。
ADKは国内広告業界3位で、1956年に「旭通信社」として創業。87年に東証2部に上場し、90年に1部銘柄に指定された。99年には「第一企画」と合併し、商号を現在の社名に変更。TOBを経て18年3月、東証1部上場を廃止した。
ADKコーポレート・コミュニケーション室は「事実関係を確認できないので、取材にはお答えできない」と回答している。
一言コメント
全容を明らかにしてもらいたい。
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