「原野商法」二次被害の相談が過去最多1694件 警察当局捜査へ
- 詐欺・悪徳商法
- 2018年10月21日
価値のない土地をだまして売りつける「原野商法」の被害者に対し、調査費などの名目で現金を支払わせる二次被害の相談件数が平成29年度に1694件と過去最多になったことが20日、国民生活センターへの取材で分かった。今年度はさらに上回るペースで推移している。被害者の一部は刑事告訴を検討しており、警察当局も捜査に乗り出す見通しだ。
原野商法は、実際には存在しないリゾート開発話を持ちかけるなどして、山林や原野を売りつける手口の詐欺的商法。昭和40~50年代頃に流行した。
二次被害は、かつて原野商法で土地を買わされた被害者に「高値で買い取れる」「中国の富裕層が日本の土地に関心を持っている」などと嘘の話を持ちかけ、さまざまな名目で現金を支払わせる手口だ。
国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた相談件数は25年度に1千件を超え、29年度には1694件に達した。30年度の相談は4月1日~10月15日で816件で、昨年度同時期の758件を上回るペースで推移している。1件当たりの被害額も増加しており、25年度は171万円だったが29年度には約2・7倍の460万円となった。
被害者の大半は高齢者で、「負の遺産」を家族に残したくないという思いから、誘いに乗ってしまう例が多いという。業者は数年ごとに社名を変えるなどして勧誘を続けているとみられる。
センターの担当者は、「一度お金を払えば取り返すのは非常に困難なので、きっぱりと断ることが大切だ」と呼び掛けている。
一言コメント
一度騙されると、後々尾を引く。
コメントする