白浜パンダ、子だくさんの理由…中国でも注目
- 政治・経済
- 2018年10月16日
和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」(AW)で8月、ジャイアントパンダの赤ちゃん(雌)が生まれ、飼育するパンダが6頭になった。全国的な注目は東京・上野動物園に集まりがちだが、AWで誕生したのは、生後すぐ死んだ1頭を除き16頭目。実績では国内で断トツの記録を更新中で、本場・中国でも注目されつつある。
◆世界屈指
AWは9月13日から、赤ちゃんパンダの一般公開を開始。母親の「良浜(ラウヒン)」(18歳)に抱かれた姿を見ようと、多くの入場客が連日、列を作っている。
父親の「永明(エイメイ)」(26歳)がくつろぐ姿や、2~3歳のパンダ3頭が遊ぶ様子も観察でき、大阪府箕面市から来た女子大学生(22)は興奮気味に語る。
「ここでは、一度にいっぱい見られる」
国内でパンダを飼育するのは計3施設。上野動物園に3頭、神戸市立王子動物園(神戸市)に1頭いるだけで、全10頭のうち6頭がAWにいることになる。
AWによると、パンダはフランスやアメリカなどでも飼育されているが、中国以外の施設での飼育頭数はAWが最多だという。
ジャイアントパンダは本来、繁殖させるのが難しい動物だ。交配期間が年2~3日しかなく、相性が合わないなどの理由でタイミングを逃せば、翌年までチャンスはない。
生後間もなく死ぬケースも多く、上野動物園では、5頭のうち、2頭がすぐに死んだ。自然交配で生まれ、順調に育っているのは昨年6月に誕生した「シャンシャン(香香)」が初めてという。AWでも過去に1頭が生後間もなく死んだが、繁殖実績も「中国以外の国の施設ではトップ」という。
◆豊富なデータ
成功の要因の一つは、繁殖を目的とした中国側との強い関係だ。
1994年から四川省の「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」と提携。子どもが生まれた場合、繁殖可能な年齢に近づくと中国に返還する取り決めでパンダを借り受け、これまで11頭を中国に返した。
AWでは中国語が話せるスタッフが現地と電話で連絡。今回の赤ちゃんについては、出産前から中国から応援が駆けつけ、健康管理をサポートした。
さらに飼育部の熊川智子課長(45)は、AWの強みとして「多数の出産実績で蓄積してきた豊富なデータ」を挙げる。
交配させるタイミングは極めて難しい。AWでは「メェ、メェ」と声を上げる「恋鳴き」の頻度や、細かな動作など膨大な情報を保存。日頃の気温や食事量、睡眠時間などもデータベース化しており、「どんな条件で、どんな兆候があればベストか。データに基づいて判断できる」と、熊川課長は胸を張る。
一言コメント
環境もいいのかな!?
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