麻生氏続投に野党まず照準 文科相の教育勅語発言も批判
- 政治・経済
- 2018年10月9日
内閣改造後初となる臨時国会。政府・与党は補正予算案や国民投票法改正案などの早期成立を目指す。一方、野党は森友学園の決裁文書改ざん問題の責任を問われた麻生太郎財務相や、教育勅語を一部評価する発言をした柴山昌彦文部科学相ら、閣僚の資質について厳しく追及する構えだ。
野党がまず照準を合わせるのは、内閣改造で留任した麻生太郎財務相だ。森友学園問題をめぐる財務省の決裁文書改ざんや前事務次官のセクハラ問題に加え、自身の軽率な発言がたびたび批判されたが、首相は政権の「土台」の一人として続投させた。
社民党の又市征治党首は4日の記者会見で「常識では考えられない。国民をバカにしているのか」と指摘。国民民主党の中堅議員も「麻生氏続投は、いくら批判しても誰からも文句は出ない」と意気込む。
初入閣した12人の閣僚の適性についても、野党側は厳しく吟味する方針だ。
柴山昌彦文科相は2日の就任会見で、教育勅語について「道徳などに使うことができる分野は十分にある」と一部評価する認識を示した。立憲民主党の辻元清美国会対策委員長は3日、「認識違いが甚だしい。昔だったらすぐクビだ」と批判。辻元氏ら野党の国対委員長は同日の協議で、首相に対し閣僚の資質について厳しく追及していく考えで一致した。
学校法人・加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐる問題も引き続き追及する。共産党の志位和夫委員長は3日、森友問題とあわせて「国政の私物化であり、政治モラルの崩壊だ」と語った。
7月に通常国会が閉会して以降、中央省庁など公的機関による障害者雇用数の水増し問題といった新たな不祥事も発覚した。野党が求めた閉会中審査に与党は応じてこなかっただけに、野党側は審議を通じて追及を強める構えだ。
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