ニンジン品薄3割高 天候不順 北海道産の出荷減
- 流通
- 2018年10月3日
ニンジンの相場が高騰している。9月下旬の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ177円で、過去5年平均(平年)の3割高。主産地の北海道で天候不順が続き、正品率が低下して市場への出荷が減っているためだ。道産の切り上がりが早まるとの観測もあり、卸売会社は「10月下旬に後続の関東産と端境となる恐れがある。相場は一段上がる」と見通す。
東京都中央卸売市場大田市場では2日、北海道産1ケース(10キロ・相対・高値)が3240円と、潤沢な出回りで安値だった前年の2・3倍で取引された。卸売会社は「昨年秋と比べて供給が極端に少ないため、実需の不足感が強い」と話す。
市場関係者は「飲食店などが契約取引で不足した分について、市場での仕入れを強めている」と指摘。中国産が9月の台風で不作になるとの観測もあり、国産の引き合いを強めたと分析する。
北海道のJAふらのは、1日当たり出荷量が約5000ケース(1ケース10キロ)と例年の4割減。担当者は「7月上旬の長雨で種まきができず、その後の干ばつもあって生育が良くない」と説明。収穫しても割れや細物が目立ち、市場出荷できる規格が少ないという。
そのため、JA管内では出荷の切り上がりが今月中旬と、例年より10日早まる可能性がある。担当者は「単価は高いが出荷量は少なく、農家の手取りに結び付いていない」と訴える。
11月に本格化する後続の千葉産も、序盤の出荷は少ないとの見方が出ている。JA千葉みらいは、種まき時期の8月上旬の乾燥や、生育期の9月後半の長雨で「肥大が鈍く、出荷量は伸び悩む」とみる。JA富里市は「台風24号で塩害があり、出荷に影響しそう」と気をもむ。
一方、消費は高値で伸び悩む。東京都内のスーパーは、道産をサイズによって1袋2本詰め、3本詰めと分け、前年より3割高の128円(税別)で販売する。担当者は「気温が下がりカレーや煮物需要が出てきたが、売り上げ点数は昨年を1割下回る」と話す。
一言コメント
スーパーの人参も細くなったような…
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