たばこ、駆け込み需要は限定的 喫煙率の低下も影響か
- 企業・経済
- 2018年9月29日
日本たばこ産業(JT)をはじめ、たばこ各社が10月1日から紙巻きたばこや加熱式たばこなどを値上げする。たばこ税の増税に対応したもので、大手3社の紙巻きたばこの値上げ幅は1箱20本入りで20~40円。スーパーやコンビニエンスストアなどは、値上げ前に10箱入りのカートン単位でまとめ買いする駆け込み需要を見込んで予約販売を進めているが出足は鈍く、販売店側は値上げ直前の今週末に購入が集中することを懸念している。
神奈川県内の総合スーパーの担当者は「(前回たばこ税が引き上げられた)2010年の値上げの時は50カートンの段ボールで購入する人もいたが、今回は2~5カートン程度で、前年同月より2割増し程度」と語る。コンビニ各社も1~2割増程度という。
10年10月のたばこ増税は紙巻き1本当たり3.5円で、増税直前の9月の販売が前年同月比1.9倍となる大規模な駆け込み需要があった。当時、JTは主力商品の「マイルドセブン」の価格を300円から410円に引き上げ。たばこ市場は9月の販売が88%増と急増した一方、値上げ後の10月は69.9%減と大幅に落ち込む、駆け込みと反動減に見舞われた。
これに対し、今回の増税は1本当たり1円で、JTなど大手3社の値上げ幅も前回に比べて限定的だ。
加えて、今年の国内の喫煙率は17.9%(JT調べ)と10年から6ポイントも落ち込んでおり、こうした事情が駆け込みの動きが鈍いことにつながっているとみられる。
ただ、愛煙家の家計にとって値上げ分の負担増はやはり無視できないはず。販売店各社は29日、30日の急な駆け込みが起きる可能性が高いとみており、予約分以外にも商品の在庫を積み増して対応するという。
一言コメント
たばこも随分高くなった。
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