北海道震度7地震 牛乳、サンマ、野菜…地震の影響、食卓にもじわり
食料の一大供給地である北海道の地震で、牛乳や野菜などの出荷が停滞し、食卓にも影響が出始めている。旬のサンマや一部の野菜が品薄になり首都圏でも卸値が高騰、家計にも痛手となっている。
「生乳を捨てるのは断腸の思いだった」。十勝地方を中心に道内で複数の大規模牧場を営む「ノベルズ」(上士幌町)グループの千田光昭常務(50)は、流通再開まで生乳計約129トンを廃棄せざるを得なかった悔しさを口にした。
全国の生乳生産量の5割超を占める北海道。停電後も非常時用発電機で電源を確保し搾乳を続けた業者もあったが、流通ルートの寸断や大手工場の停電により、道内各地で生乳の廃棄が相次いだ。
10日までに大手工場の全てが再開したが、学校での牛乳需要が高まる夏休み明けとも重なり、首都圏などでの牛乳の供給不足は否めない。東京都練馬区のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道代表取締役(50)は「商品を確保するのが大変。卸売業者に5ケース分を注文しても半分しか売ってもらえない」と嘆く。今後のチーズなどの乳製品の価格高騰も気がかりだ。
地震の影響は魚介類にも及んでいる。東京・築地市場によると、地震前の4日の卸値(中値)が1キロ756円だったサンマは、停電で出荷に支障が生じた影響などで11日には1512円の値を付けた。店頭で1匹150円前後だったサンマは地震後、2倍前後に高騰しているケースもある。「旬のサンマを楽しみにしていたのに、価格が上がって手が出ない…」。都内のスーパーに買い物に来ていた男性は残念がった。
北海道が一大産地であるジャガイモなどの野菜の出荷状況も懸念される。「関西や中四国を中心に卸売市場へ出荷してきたが、今年は例年通り届けられない恐れがある」。JAとまこまい広域(厚真町)の担当者は気をもむ。所管する貯蔵倉庫では、約600キロのジャガイモが入ったコンテナ約960基が崩れ、職員らが復旧作業を続けているが、出荷できないジャガイモは2割を超え、通常の倍以上になるとみられる。
ニンジンや大根も品薄で卸値は割高傾向に。都内の流通関係者は「9月初旬の台風21号と、それに続く今回の地震のダブルパンチで北海道産の野菜の高騰が止まらない。この品薄状態はいつまで続くのか」と漏らした。
一言コメント
食品の値上がりはキツイ。
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