北海道地震が食卓を直撃? 野菜入荷減、一部が値上がり
- 事件・事故
- 2018年9月11日
北海道を襲った地震は食卓にも影を落としている。ジャガイモやニンジン、トマトなど、北海道産が高い全国シェアを占める野菜の出荷や輸送が滞り、一部は値段も上がっている。出荷は徐々に元の状態に戻りつつあるが、復旧には地域差も出ている。
「どうしたらいいのか……」。震源地に近いむかわ町でトマトを栽培する村田伸博さん(33)は、荒れ果てたビニールハウスと畑を前に言葉を失った。数年前に花からトマトに切り替え、いまでは21棟のハウスで年間5トンを収穫。2千万円の売り上げがある。
地震直前の台風でハウスの半数のビニールがはがれていた。補修しようと思っていた矢先、地震でトマトの大半が倒れた。余震の心配から車中泊を重ね、体は疲れ切っているものの、傷がないトマトの収穫に追われる。出荷はできるようになったが、「目の前のトマトを集めるだけで手いっぱい」(村田さん)。破れたハウスの屋根からは雨がしたたり、トマトの病気が気がかりだが、ハウスの復旧までは考えが回らない。
直接被害を受けていない地域も、停電で野菜を選別する機械が動かず、貨物列車も止まった。電力供給の再開で出荷は回復しつつあるが、貨物列車の復旧が15日以降になる区間もある。
ホクレン農業協同組合連合会帯広支所によると、道東の十勝地方では、6割を鉄道に頼るジャガイモやタマネギなどの輸送に影響が出ている。JA士幌町は11日から走らせる予定だった埼玉県行きジャガイモ専用列車が出せず、トラックで苫小牧などに運ぶことを検討している。ダイコンやニンジン、ブロッコリーはトラック輸送の割合が高く、回復ペースは速いという。
東京・大田市場では10日、北海道産ニンジンが地震前の4日と比べて6割高、ダイコンは1割高程度で取引された(相対の取引量が多い価格で比較)。ただ、卸売業者は「10~11日は品物が少ないかもしれないが、入荷量は回復しており、日がたつにつれて品不足も解消されるだろう」と話す。
一言コメント
決して対岸の火事ではないということだ。
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