「台風21号」「北海道地震」の影響、食卓に拡大…ダイコンの値段が毎日上昇、品切れも広がる
西日本を襲った台風21号に加え、北海道に大きな被害をもたらした地震の影響が、関西の食卓に広がりつつある。台風に伴う停電で関西の物流網が混乱し、スーパーなど小売店で欠品が発生。さらに、生鮮品の一大産地である北海道からの供給不足が予想され、価格が上昇し始めた。
大阪市北区の青果店「山北商店」では、ダイコン1本の値札が地震発生前の5日は270円だったが、6日は300円、7日は350円へと日ごとに書き換えられた。
この時期に流通するダイコンは北海道産が8割を占めるが、地震で入荷に不安が広がったため価格が上昇した。店主の田中征一さん(74)は「地震前に出荷された分は8日になくなる。価格は500円まで上がりそうだ」と心配した。
関西圏で食品の欠品が広がったのは、台風に伴う停電で工場の生産が停止したり、配送センターでの作業が遅れたりしたためだ。こうした問題は電力の復旧とともに収束しつつあるが、生鮮品の値段の高止まりが懸念されている。
そこに、産地からの供給不足懸念が追い打ちをかけた。関西の産地では、畑の浸水や農業用ハウスの倒壊によりホウレンソウ、トマト、ミカン、カキなどが被害を受けた。北海道の地震では、ダイコンのほかにジャガイモ、ニンジン、タマネギなどにも影響が広がる恐れがある。
滋賀県を地盤とするスーパー、平和堂は「契約農家からの仕入れが多い」ため影響は受けづらいと説明するが、「(北海道で)停電が長引けば相場は上がってくる」と懸念する。和歌山県地盤のスーパー、オークワは「値上がりは避けられないだろう」と話す。
海産品では、サンマやサケは北海道産を主力とするが、地震による停電が続けば、港湾の機械が動かず水揚げができない。大阪市の水産卸売業者、うおいちは「ダメージはこれから出てきそうだ」と警戒する。
サンマはこの季節、北海道でしか水揚げされないといい、近鉄百貨店本店(大阪市阿倍野区)は「店頭からなくなる可能性もある」と話している。
一言コメント
食べ物の有難みを改めて感じる。
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