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関空、7日一部再開 ピーチとJAL運航、1タミ・連絡橋は復旧未定


関西空港を運営する関西エアポート(KAP)は9月6日夜、台風21号の影響で4日から閉鎖している関空について、7日から一部運用を再開すると発表した。関空を拠点とするピーチ・アビエーション(APJ/MM)は、7日は関空発着の国内線17便を運航予定で、日本航空(JAL/JL、9201)も羽田-関西線を1往復2便運航する。

◆ピーチとJAL国内線再開

ピーチが運航するのは、関空を午前11時50分に出発予定の新潟行きMM143便など、関空を出発する国内線6便と、成田を午前11時35分に出発し、関空へ午後1時10分に到着予定のMM312便など、関空到着の国内線11便の合わせて17便。ターミナルは、ピーチが普段利用している第2ターミナルを、滑走路は冠水を免れたB滑走路を、機材はエアバスA320型機(1クラス180席)を使用する。

ピーチによると、8日以降の運航スケジュールは未定だという。

JALは、羽田-関西線を1日1往復2便で、7日から再開。機材はボーイング737-800型機(2クラス165席)を使用する。関西行きJL225便は、羽田を午後1時に出発して午後2時20分着。羽田行きJL224便は、関空を午後3時5分に出発し、午後4時15分に到着する。ターミナルは普段乗り入れている第1ターミナルの復旧に時間がかかるため、第2ターミナルを利用する。

両社の利用者は、南海電鉄泉佐野駅を発着するシャトルバスか、神戸空港を発着する高速船「ベイ・シャトル」が、関空へのアクセス手段として利用できる。シャトルバスは、関空行きが午前6時台から午後10時台まで、関空発が午前7時台から午後11時台まで、おおむね30分間隔で運行し、一部時間帯は15分間隔にする。また、1時間に1本の割合で、JR日根野駅発着のバスを設定する。

◆1タミと連絡橋は復旧未定

KAPは5日の段階で、運用再開は早くても1週間後の11日ごろまでは難しい状況であると、航空各社に説明していた。その後、政府が6日午前に開いた非常災害対策本部の会合で、安倍晋三首相が関空の7日運用再開に言及した。

KAPによると、2本ある滑走路のうちB滑走路と、ピーチと春秋航空(CQH/9C)が利用する第2ターミナルは冠水を免れたため、6日の段階で一部再開にめどが立ったという。

一方、JALなどフルサービス航空会社が乗り入れる第1ターミナルは、受電施設が海水により損傷したため停電が発生しており、エアコンも使用できない状況が続いている。

また、冠水したA滑走路などの排水作業は、国土交通省の排水ポンプ車などを使って進めているという。

渋滞の車列に並び関空へ向かう国交省の作業車両=18年9月5日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

タンカーが衝突した関空と対岸を結ぶ連絡橋も、復旧のめどは立っていない。「今日、明日何ができるか、という状態」(KAP広報)として、連絡橋にある道路のうち、片側3車線の中で安全確認が取れた1車線を、一方通行の時間差交互通行で運用している。今後は3車線の真ん中に仮の中央分離帯を設け、双方向で通行できるよう調整を始めた。

関空と神戸空港を結ぶ高速船「ベイ・シャトル」については、7日から通常運航に戻るという。6日までは救助用の交通手段として無料で運航していたが、7日からは有料に戻る。

空港の施設復旧やアクセス改善とともに、課題となるのが、機体を牽引する「トーイングカー」などの地上支援車両の手配だ。JALによると、1タミで海水被害が生じたことで、一部の車両が使えない状況になっており、数便なら運航できる状況だという。このため、7日時点では羽田-関西線のみ再開を決めた。

全日本空輸(ANA/NH)は、台風21号による被害が生じた4日の時点で、1タミの駐機場に3機のボーイング767-300ER型機(登録番号JA620A、JA622A、JA626A)を駐機していた。3機の767は、一部の部品が海水につかったため、修理が必要だという。

7日は官邸が求める一部再開にこぎつけたものの、関空が完全復旧するにはかなりの時間がかかるとみられており、あす8日以降も予断を許さない状況だ。特に、空港や対岸へのアクセスに時間が掛かる場合、乗客の不満が爆発するおそれもあり、政府や航空会社、KAPには慎重な判断が求められる。

Aviation Wire

 

 

一言コメント
全面復旧は時間かかりそう。


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