<エネ庁>LPガス全国調査へ 利用料金「不透明」上乗せも
液化石油ガス(LPガス)を利用する賃貸アパートなどの居住者が不透明な料金を払わされているケースがあるとして、資源エネルギー庁は月内にも、消費者を対象にした初の全国調査を実施する。同庁は、業界の一部業者が営業経費を上乗せして「ガス利用料」を請求しているとみている。同庁は業界に是正を求めており、実態調査を通じて消費者に注意を促す狙いがある。
関係者によると、業界はバブル期の1980年代から競争が激化し、アパートなどの物件所有者にガスボンベを置く見返りとして、各戸に設置する給湯器や冷暖房機、インターホンなどを無償提供するサービスが慣習化した。かかった経費をガス利用料に上乗せし、居住者に請求する業者も多かったという。
そうした商慣習の是正を図り、同庁は2017年2月に液化石油ガス法の省令の一部を改正。業者はLPガスの標準的な利用料金を公表する▽LPガスの利用料金以外は請求書に「冷暖房機使用料」などと分けて明示する--ことなどを定めた。今回実施する調査では、請求書に明細が記載されているかなどを消費者に確認する方針だ。
かつてガス利用料に営業経費を上乗せしていた関東地方の業者は「LPガスは高いというイメージが奏功したのか、多少上乗せしても、ほとんどの人は不審に思わなかった」と明かす。別の業者も「契約が不透明と分かっても、それを理由に転居する人は少ない。居住者は弱い立場にある」と話した。
同庁が不透明な契約の是正に動くきっかけになったのは電力(16年4月)と都市ガス(17年4月)の小売り全面自由化だ。LPガスと都市ガスの利用世帯数は拮抗(きっこう)しているうえ、災害時の復旧の早さの面などからオール電化も注目されている。競争が激化する中、同庁は「LPガスの不透明な商慣習は消費者の信頼を損なう。業界にとってもマイナスになる」と判断し、調査に乗り出すことを決めたという。
実態調査は全日本不動産協会など関連団体などを通じ、賃貸アパートなどの入居者に実施する。改正省令が施行された17年6月以降の契約が対象になる見通しで、同庁は「実態調査に加え、入居者に注意喚起する契機としたい」としている。
◇LPガスと都市ガス
プロパンやブタンを主成分とするLPガスに対し、都市ガスはメタンが含まれる天然ガスが主な原料。LPガスは液化するのが容易でボンベに詰めて各家庭に運搬できるため、地中にガス管が張り巡らされていない郊外で多く使われている。都市ガスは液化するのにマイナス162度まで冷やす必要があり、気体のままガス管で供給される。
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どいつもこいつも信用ならん。
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