<障害者雇用>省幹部「死亡職員を算入」 意図的水増し証言
中央省庁による障害者雇用の水増し問題で、厚生労働省は28日、昨年6月1日時点の国の33行政機関の雇用率の調査結果を公表した。約8割にあたる27機関で計3460人の不適切な算入があった。また、一部の省の幹部は取材に、過去に死亡した職員を障害者として算入し、意図的に雇用率を引き上げた例があったと証言。政府は弁護士を含む検証チームを設置し原因究明を進めるとともに、再発防止策を10月にもとりまとめる。
厚労省のこれまでのまとめでは、33機関のうち、当時の法定雇用率(2.3%)を満たしていなかったのは1機関のみだった。しかし、実際に達成していたのは警察庁など6機関だけで、平均雇用率は2.49%から1.19%に下がった。
加藤勝信厚労相は閣議後の記者会見で「それぞれの政府機関で今年中に法定雇用率を達成してもらう。それが難しければ計画を出してもらい、来年中に達成を目指して取り組んでもらう」と述べた。
調査結果はこの日午前に開かれた政府の関係閣僚会議に示された。政府はチェック機能の強化や法定雇用率の速やかな達成に向け、加藤厚労相を議長とする関係府省連絡会議を設置した。また、不適切な算入が相次いで発覚している地方自治体を対象とした全国調査の実施を表明した。
厚労省のガイドラインによると、雇用率に算入できるのは障害者手帳を持っている人か、指定医らの診断書で障害が認められた人に限られる。水増し数が最も多かったのは国税庁の1022.5人。雇用率は2.47%から0.67%に下がった。国土交通省は603.5人で2.38%から0.70%に、法務省は539.5人で、2.44%から0.80%となり、計17機関が新たに1%未満になった。
厚労省の調査では意図的な水増しは明らかになっていないが、毎日新聞の取材に対し、ある省の幹部は「水増しは法定雇用率を満たすためだった。死者を算入した以外にも、強度近視の職員を算入したり、健常者の管理職が(担当者に)自分も障害者に含めるよう指示したりしたケースもあった」と証言した。
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