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米、続くパレスチナ難民支援凍結=中間選挙前に福音派の影響増―和平仲介は難航


【ワシントン時事】トランプ米政権がパレスチナ難民に対する支援の凍結を続けている。

「見直し作業中」(国務省)と説明するが、大部分が削減されるとの見方も広がる。親イスラエルのキリスト教福音派の影響力増大を背景に、エルサレム問題に続き、難民問題も中東和平交渉の議題から排除しようとする動きが加速する可能性がある。

米国は、パレスチナ自治区ガザなどで難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の最大の拠出国。昨年は約3億6000万ドル(約397億円)を拠出した。だが、今年は大部分を凍結して6000万ドル(約66億円)にとどまっている。UNRWAの財政危機の深刻化で、ガザの人道状況悪化が懸念されている。

米誌フォーリン・ポリシーは今月、トランプ大統領の娘婿で中東和平を担当するクシュナー上級顧問が、500万人超とされるパレスチナ難民の地位剥奪を検討していると報じた。1948年のイスラエル建国で発生した当初の難民だけを認め、その子孫から難民の地位を剥奪し、イスラエル領内への帰還を求める難民の数を激減させることを画策しているとみられる。

トランプ氏は昨年12月、エルサレムをイスラエルの首都と認定して米大使館の移転を決め、和平交渉の最大の焦点である「エルサレムの帰属」を「(交渉の)テーブルから取り除いた」と豪語した。ウォレス元駐エルサレム米総領事は取材に、「エルサレムに続き、難民問題もテーブルから取り除こうとしている」と指摘。和平交渉でイスラエルの立場を強める狙いがあるとみている。

与党・共和党の劣勢が伝えられる11月の中間選挙を前に、トランプ氏の支持基盤の福音派の影響も無視できない。ワシントンで先月開かれた福音派の有力団体「イスラエルのためのキリスト教徒連合(CUFI)」の集会で、創設者ジョン・ヘイギー師は「難民の地位を恒久化している」として、米国のUNRWA支援に反対を呼び掛けた。

トランプ政権はパレスチナへの圧力強化により、イスラエルに有利な和平案受け入れを迫る考えとみられるが、エルサレム首都認定以降、パレスチナ自治政府は米国の仲介を拒絶。当初は和平案支持に前向きだったアラブ諸国も慎重姿勢に転じた。ウォレス氏は「トランプ氏は優れた交渉人と自任しているが、パレスチナ問題や地域の政情の複雑さを理解していない」と批判した。

時事通信

 

 

一言コメント
中東問題は今もややこしい。


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