9遺族が群馬大と和解へ 手術死問題 患者参加型医療推進委員会の公開は協議継続
群馬大医学部附属病院(前橋市)で腹腔(ふくくう)鏡や開腹の手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、被害対策弁護団に委任している9遺族が近く、大学と和解する見通しであることが6日、関係者への取材で分かった。
遺族側は昨年11月、正式な謝罪や情報開示の強化、病院改革に遺族が関わることなどを同大に申し入れていた。関係者によると、遺族側は申し入れに沿って改革が進んでいることを評価し、和解する方針を固めた。大学は賠償金を支払う。
一連の問題では、旧第1、第2外科で手術後に患者が死亡した50例が検証対象となった。別の関係者によると、50例のうち補償対象とされた死亡例の約7割で、既に遺族との示談がまとまっている。9遺族以外にも、現時点で補償協議が続いている遺族がいる。
一方、再発防止策の一環として病院が設置した患者参加型医療推進委員会を巡り、遺族代表の委員2人は6日、委員会の一般公開や議事録全文のホームページ掲載などを求める要望書を病院に再度提出した。
遺族や代理人によると、同様の趣旨の要望書は6月にも提出したが、病院側は「率直な意見交換が難しくなる」などと慎重な姿勢を示したという。6日の議論でも折り合わず、協議を続けることになった。
提出後、県庁で記者会見した遺族の男性(38)は「事故調査委員会の報告書では、病院の閉鎖的な問題が明らかになった。議論を公開することで(この体質から)脱してほしい」と話した。
群馬大病院は「遺族会の皆さまと十分協議をしながら対応したい」とのコメントを出した。
一言コメント
医療業界の閉鎖体質が改善されることを祈る。
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