県庁の内定辞退、両親を説得し角界へ 初優勝の御嶽海
- スポーツ
- 2018年7月23日
3横綱全員に新大関まで休場という異例の大相撲名古屋場所を、次世代の逸材が救った。関脇御嶽海(25)=本名大道久司、長野県出身、出羽海部屋=が14日目の21日、初優勝を成し遂げた。学生相撲出身で、就職するか悩んだ末に角界入りしてから3年。地元に近い名古屋で、大声援を一身に浴びた。
土俵を下りて、御嶽海は大きく息を吐いた。重圧から解放された瞬間だった。「地元の皆さんの声援で勝ち取ったと言っても過言ではない。部屋の皆さんにも世話になりっぱなし。(部屋を)こうして盛り上げられて良かった」
東洋大在学中、15のタイトルを獲得。学生横綱とアマチュア横綱のタイトルも手にし、大相撲で幕下10枚目格から始められる資格を得た。だが、当初角界入りの意思はなかった。学生出身で横綱になった力士は輪島(日大)だけ。「安定した就職を本人も望んでいた」と相撲部の浜野文雄監督(68)が言う。実は、アマ相撲の強豪、和歌山県庁から内定をもらっていた。
プロ入りに傾く決め手となったのは、現在の師匠、出羽海親方(元幕内小城乃花)の熱意だった。「部屋の再興に力を貸してほしい」。多くの横綱が輩出した名門部屋に当時、関取がいなかった。「自分にできることがあるのなら」と腹を決め、反対する両親を説得。和歌山県庁に内定辞退とおわびを伝えた。
一言コメント
心技体ともあっぱれもんだね。
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