米国務長官、北朝鮮制裁決議の完全履行要請=安保理各国に、中ロけん制
- 国際
- 2018年7月21日
【ニューヨーク時事】ポンペオ米国務長官は20日、ニューヨーク市内で国連安全保障理事会の理事国大使らと会談し、安保理の北朝鮮制裁決議の完全履行を要請した。ポンペオ氏はこの後、国連本部で記者団に「(北朝鮮の非核化実現には)制裁の厳格履行が極めて重要だ」と強調。北朝鮮と関係が深く、制裁緩和に前向きな姿勢を示す中ロ両国を強くけん制した。
会合に出席した別所浩郎国連大使は記者団に「(制裁を含め)安保理の今後の作業に関する見解の相違はなかった」と述べ、安保理は制裁維持では基本的に一致しているとの認識を示した。会合には韓国の康京和外相も出席した。
米国は6月の米朝首脳会談以降も、安保理で圧力維持を訴えているが、中ロは北朝鮮の決議履行状況に応じ、制裁緩和も検討すべきだとの立場を取っている。
ポンペオ氏はこの日、「(北朝鮮の)金正恩朝鮮労働党委員長が世界に約束したことを実行するのを見届ける必要がある」と指摘。北朝鮮が非核化の具体的行動を取るまで制裁を維持すべきだと改めて強調した。
一方、中国の馬朝旭国連大使は会合後、記者団から制裁を緩和すべきかと問われ、「全員が決議を履行すべきだ。決議を見てほしい」と答えた。決議は北朝鮮の履行状況に応じ制裁を緩和する用意があるとも記しており、これを念頭に置いた発言とみられる。
米国は先週、北朝鮮による石油精製品の密輸事例89件を報告。北朝鮮が年間輸入上限を超える石油精製品を輸入したと主張し、加盟国に輸出の即時停止を命じるよう北朝鮮制裁委員会に要請した。ただ、中ロ両国が要請の保留を求め、即時停止には至っていない。
ヘイリー米国連大使は記者団に、中ロが禁輸要請を「阻止」したと批判。さらに「中ロ両国が(決議に)従い、(非核化実現に向けた)良き支援者であるよう圧力をかけた」とけん制した。
一言コメント
北朝鮮を巡る駆け引きも熱くなりそうだ。
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