出光と昭シェル、来年4月統合=創業家の主要株主が同意―今年12月に臨時総会
- 経済情報
- 2018年7月11日
石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油は10日、2019年4月に株式交換を通じて経営統合する合意書を締結したと発表した。出光が統合に反対していた創業家側の主要株主から賛同を取り付けた。それぞれ今年12月をめどに臨時株主総会を開く。3年越しの統合がようやく実現する。
少子高齢化などで石油の需要が減少する中、統合によって経営体力を強化する。記者会見した出光の月岡隆会長は「統合時に間違いなくロケットスタートを切れる体制が整った」と強調。昭和シェルの亀岡剛社長は「いろいろな困難があったが、アジアで屈指のリーディングカンパニーになる」と決意を述べた。
出光は株式交換で昭和シェルを完全子会社化する。交換比率は今後詰める。昭和シェル株は19年3月29日付で上場廃止となる。統合後の社名は登記上は「出光興産」とし、事業上の通称は「出光昭和シェル」を使う。統合後の取締役は出光側から5人、昭和シェル側から3人を出す。出光側の取締役の2人は創業家が推薦する。
出光の発表によれば、創業家の主要株主とは統合後3年間累計の純利益で5000億円以上、配当と自社株買いを合わせた総配当性向で50%以上の株主還元を目指す方針で一致。「物言う株主」として知られる村上世彰氏が経営側と創業家側の間を仲介した。
両社は15年に経営統合で基本合意したが、計約28%の出光株を保有する創業家やその関連会社の反対で実現できずにいた。出光の経営側は統合後の新会社の取締役に出光昭介名誉会長の長男を起用する方針などを示し、創業家の資産管理会社で筆頭株主の「日章興産」と、昭介氏の長男から賛同を得た。両者合わせて14%強の株式を保有している。これを受けて、両社は臨時株主総会で統合に必要な3分の2以上の承認が得られると判断した。
一言コメント
ガソリンスタンドの看板とかもエネオスみたいに変わっていくのかなぁ。
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