<米朝首脳会談>「へつらった」米紙がトランプ氏批評
- 国際
- 2018年6月13日
◇ネット上ではトランプ氏称賛のコメント多く
米朝首脳会談への関心は米国内でも高く、開始前から主要テレビ局が「会談まで、あと5時間」などとカウントダウン式に報じた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、トランプ米大統領が会談後の記者会見で米韓合同軍事演習の中止に言及したことについて「北朝鮮への重要な譲歩であり、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に核放棄させられるかの賭けだ」と指摘し、首脳会談を「重要なステップ」と評価した。一方で、共同声明については「(非核化について)時期や検証方法など具体性に欠ける」とした。
ワシントン・ポスト紙(電子版)は、トランプ氏の金委員長に対する態度を「へつらった」と評した。両首脳の会談での「愛想の良さ」が、非核化を巡って埋まらない両国の隔たりを覆い隠したなどと指摘。「トランプ氏の関心事は本質ではなく、首脳会談の見え方だ。トランプ氏は非核化へのあいまいな約束を成功だとして売りつけようとするだろう」との専門家の批判を引用した。
トランプ氏の支持者が多い地域では会談結果に肯定的な見方が強い。テネシー州東部在住のアジア系の女性会社員(43)は「トランプ大統領が北朝鮮のトップを引っ張り出しただけでもすごいと評価する声が多い。核問題よりも政治ショーとして関心を集めているようだ」と語る。インターネット上には「正しい方向に向けた良い一歩だ」「今年の初めにはこんなこと想像もできなかった」などとトランプ氏を称賛するコメントが多く見られた。
首脳会談後、ポンペオ米国務長官はツイッターで、共同声明に盛り込まれた朝鮮戦争の米兵の遺骨収集などについて「個人的には最も意義深い」と書き込んだ。ツイッターでは「人権、信仰の自由、日本人の拉致被害者について北朝鮮と話し合った」と明かしたほか、13日にソウルと北京を訪れ「朝鮮半島の非核化を達成するチームを引き続き作り上げる」と意欲を示した。【高木香奈】
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