何度もSOS…大谷異変感じた捕手が完全断裂回避へ
- 政治・経済
- 2018年6月11日
エンゼルス大谷翔平投手(23)を最悪の事態から救ったのは、女房役のリスクマネジメントだった。7日(日本時間8日)に右肘内側側副靱帯(じんたい)を痛め、故障者リスト(DL)入りしたが、それがなければ、もっとひどいことになっていたかもしれない。
マルドナド捕手は6日(同7日)のロイヤルズ戦で、大谷の投球練習中に異変を感じ、キャッチャーミットでベンチの首脳陣に向かって何度も「来てくれ」と合図を送った。その間も、投げ続けていた大谷は、ソーシア監督とトレーナーが駆け付けても「大丈夫」といった口ぶりで、続投を志願している様子だった。
結果的に交代したが、マルドナドからのSOSが出されていなければ、間違いなく大谷は何食わぬ顔で投げていただろう。今回は「グレード2」で、靱帯(じんたい)の損傷か、もしくは部分断裂。ひとまず手術は回避したが、そのまま投げ続けていれば、右手のマメをかばいながらで、肘にも負担がかかったはず。完全断裂という最悪のケースもあり得た。
大谷は以前、「リスクマネジメントをするのが捕手の仕事」と言った。それは例えば、1点リードの場面で本塁打を回避するためにあえて四球を与えるなど、配球に関する危機管理のこと。今回はそれ以上に、投手生命にも関わる危険をギリギリで回避した形になった。リスクマネジメントはビジネス用語でもよく使われる言葉。大谷は「ビジネスパートナーです」と冗談めかしながら信頼を寄せるマルドナドに救われた。
普段から仲良くコミュニケーションを取り、時にはプエルトリコ出身のマルドナドとスペイン語で話したりもするという。ただ試合でマウンドに上がれば、投げたい意思が人一倍強くなる大谷。そんな性格も女房役は理解する。だからこそ、ストップをかけた。「僕たちは家族なんだ。つらいのは分かる。みんなでサポートしていく」。繊細な捕手の感覚が、今後も大谷の助けとなるはずだ。【MLB担当 斎藤庸裕】
一言コメント
捕手の機転で救われたのか。危なかったね。
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