「ナッツ姫」と「水かけ姫」、全ての職を辞任へ
- 国際
- 2018年4月23日
オーナー一家のパワーハラスメント(パワハラ)騒動に揺れる韓国の財閥・韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長は22日、長女の趙顕娥(チョ・ヒョナ)KALホテルネットワーク社長と次女の趙顕ミン(ヒョンミン)大韓航空専務をグループ内の全ての職から直ちに退かせると発表した。趙会長が同日、謝罪文の中で表明した。
趙会長は謝罪文で、国民と大韓航空の役員・社員に謝罪するとともに「大韓航空の会長として、また一家庭の家長として、子女が取った未熟な行動に対し、惨憺たる思いを禁じ得ない。全ては私の不手際であり、私の過ち」と述べた。
次女の趙顕ミン氏は大韓航空専務のほか格安航空会社(LCC)ジンエアーの副社長、KALホテルネットワークの代表取締役も務めている。長女の趙顕娥氏は2014年12月、いわゆる「ナッツリターン事件」で有罪判決を受けたが、今年3月に経営に復帰し、物議を醸した。趙会長はまた、大韓航空に経営を専門とする副会長職を新設し、石泰寿(ソク・テス)韓進KAL代表取締役を就任させると発表した。
これに先立ち韓国関税庁は21日午前、韓進グループオーナー一家の自宅と仁川空港第二ターミナル内の大韓航空オフィスの家宅捜索を実施した。関税庁関係者によると、家宅捜索は海外で購入した物品が実際に家にあるか確認するために実施し、今後は一家の事情聴取を行う可能性もあるという。
関税庁は過去にも密輸の疑いで中堅企業や個人事業者の家宅捜索を実施したことがあるが、財閥オーナーの家を対象にしたものは初めてだ。次女の趙顕ミン(ヒョンミン)氏が会議中に広告代理店社員にコップを投げたというパワハラ疑惑が、オーナー一家に対する全方面からの圧力へと拡大する様相を呈している。
関税庁による家宅捜索は、趙会長一家が海外で購入した物品を税関に申告せずに密輸した上、その際に航空機や職員を私的に利用したなどの疑惑が浮上したことから実施された。
一方「仁川税関の職員らが忘年会や会食などの際に大韓航空が密輸した高級洋酒を飲んでいた」という新たな疑惑も浮上した。大韓航空の調査に着手した関税庁に対し、同社のチーム長クラスの社員が証言したという。大韓航空側は事実無根として反発している。また、関税庁に対しては、「調査されるべき立場なのに、『セルフ捜査』ではないか」と世論の批判も起きている。関税庁の関係者は22日「必要であれば正式に監察を実施する」と述べた。
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