住所漏えい、市に賠償命令=逗子ストーカー殺人―横浜地裁支部
- 公務員
- 2018年1月17日
2012年に神奈川県逗子市で起きたストーカー殺人事件で、元交際相手に殺害された三好梨絵さん=当時(33)=の住所を加害者側に漏らしたとして、夫(47)が市に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、横浜地裁横須賀支部であった。前沢功裁判長は「プライバシーを侵害した」として110万円の支払いを命じた。
前沢裁判長は、三好さんがストーカー被害を理由に、市に個人情報の閲覧制限を要請していたと指摘。市納税課の担当者が夫を装って電話をかけてきた男に、本人確認手続きを取らずに住所を伝えたのは違法な公権力の行使だったと認定し、「被害者は多大な精神的苦痛を受けた」と述べた。
一方で、「市は情報漏えいの相手方の真の目的を知らなかった」と認定し、殺害事件との因果関係は認めなかった。
夫は判決後、横浜市内で記者会見し、「(請求額に)届かない金額で残念だが、主張が受け入れられ納得のいく判決理由だった」と評価。「警鐘を鳴らす意味では十分。他の自治体にも受け止めてほしい」と再発防止を訴えた。
逗子市の平井竜一市長は「厳粛に受け止め、今後とも情報漏えいを決して起こさないよう最大限取り組む」と述べ、控訴しない意向を示した。
判決などによると、市職員は12年11月、三好さんの夫に成り済まして電話をかけてきた元調査会社経営の男=偽計業務妨害罪などで有罪=に三好さんの住所を伝達。この情報が探偵業者を通じて元交際相手の男に伝わり、三好さんは自宅で男に刺殺された。
一言コメント
何年も争ってこの金額。また同じことが起きそうですね。
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