<トランプ大統領>「真珠湾を忘れるな」ツイッターの真意は
- 国際
- 2017年11月7日
来日中のトランプ米大統領が日本に向かう途中のハワイで3日、大統領のツイッターのアカウントで「リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)」と投稿した。1941年に旧日本軍の奇襲で始まった太平洋戦争で、米国が唱えた合言葉だ。日米関係の絆を強調する安倍晋三首相との首脳会談を控えた段階で、刺激的すぎるのではとの声も上がった。大統領の真意は? 彼のツイッター戦略は?【岸達也】
そもそも投稿主は大統領本人なのか、スタッフか。
トランプ氏のツイッターに注目してきた愛知淑徳大グローバル・コミュニケーション学部のダニー・モルデン教授(レトリック論)によると、スタッフは常にアイフォーンで投稿。トランプ氏は当初、別の機種を使い区別できたが、4月以降はアイフォーンで見分けるのが難しくなったという。
ただ、文法や語彙(ごい)について「トランプ氏は小学6年レベル。スタッフのレベルはそれより高い」と分析。トランプ氏は画面操作にも詳しくないとし、問題の投稿に動画が添付されている点を踏まえ「スタッフのものではないか」と話す。
その上で「投稿内容は当然把握しており、自身の支持率低下が不安で、日本への配慮は二の次で自国の支援者や軍関係者に向けて勇ましい姿勢を示したかったのだろう」と分析する。
日本政府に問題視する空気はない。ある政府関係者は「大統領として初のハワイ訪問で現役、退役軍人への感謝を示したのだろう。今回は日本だけでなくアジア歴訪で、日本を意図したとみるのは無理がある」と話す。北朝鮮のミサイルがハワイに向くことを踏まえて76年前の「奇襲」を北朝鮮情勢に読み替え、注意喚起する意図があったとの見方もあるという。
トランプ氏の投稿は物議をかもし続けてきた。大統領就任前後にトヨタ自動車などの企業や外国政府を名指しで批判。最近では北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を「狂った男」「ロケットマン」とののしった。
米国の漫画家で説得術に詳しいスコット・アダムス氏は先月、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿でトランプ氏の投稿を論じた。<人々はたった今、NBCニュースがどれほど不正で不快かに気づき始めた。あのCNNよりひどいかもしれない!>との投稿を例に挙げ、「NBCとCNNのどちらがよりひどいかを考え始めたら、どちらも悪いという主張をすでに受け入れている」と指摘。過激な表現で目を引き、その後ろに隠された前提を読者に信じさせていく巧妙なレトリックだと分析した。
モルデン教授は「投稿は本気か冗談か分からずコメディーのような面白さがあるが、国際情勢への影響を考えると危うすぎる」と警告する。
一言コメント
真意は本人じゃないとわからない・・・
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