カタルーニャ問題 亀裂招いた「弱い」両首相
- 国際
- 2017年10月29日
スペイン東部カタルーニャ自治州の独立問題は27日、州議会による「独立宣言」に中央政府が自治権停止で応じ、国と州の亀裂が決定的となった。プチデモン州首相、中央政府のラホイ首相の2人はともに政権基盤が弱く、各陣営の強硬派に押され、妥協策を探ることができなかった。
プチデモン氏が所属する独立派政党連合は2015年の州議会(定数135)選挙で62議席を獲得。10議席を保有する独立強硬派の協力で政権を発足させた。同氏は組閣が難航する中、「独立派をまとめられる人物」として擁立された。元記者で、党内基盤は弱い。
自治権停止を前に、独立穏健派や国政政党の間からは、同氏が自ら州議会を解散し、選挙を行う妥協策が浮上した。報道によると、同氏は26日、その決断を各派に伝えたが強硬派の反発で断念、州議会に対応を丸投げした。その結果が「独立宣言」だ。
一方、ラホイ氏の与党・国民党は15、16年の下院選でいずれも過半数に至らず、少数政権を発足させた。同州が基盤で、独立に反対する中道政党シウダダノスに支持を奪われたことも痛手となった。スペインではかつて、バスク州の分離派テロが続いた経験から、国民党内には地方の独立要求を力で押さえるべきだという意見が強い。
こうした中、ラホイ氏はカタルーニャ問題で強硬姿勢を貫き、現地を訪問して国家統合の必要性を住民に訴えようとはしなかった。1日の住民投票は警察を派遣して妨害。有権者の負傷が相次ぎ、州側の姿勢を硬化させた。
一言コメント
日本で言えば沖縄が独立宣言するような感じかな?
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