日産「現場の不手際」苦しい釈明 「法令軽視」浮き彫り
- 企業・経済
- 2017年10月19日
日産自動車が無資格者に車を検査させていた問題は、不正が発覚して西川(さいかわ)広人社長が是正したと公に説明した後も、大半の工場で続いていた。経営陣による組織の統制が、深刻な機能不全に陥っていたこととなり、責任問題への発展は避けられそうもない。
「言い訳のしようがない」「現場のコントロールが課題だ」
西川氏は19日夜の記者会見で、自身が謝罪した後も続いていた不正を、厳しい表情を交えながら説明した。同じ会見場で今月2日夜には、「9月20日以降は認定した検査員が100%行うようになった」と強調したばかりだ。
国から委託された形で、車両の最終チェックにあたる「完成検査」での不正。西川氏は「常態化しており、組織的な取り組みだった」と認めた。ただ、自身の進退を含めた経営責任の取り方について問われると、「生産を正常に戻し、信頼を取り戻し、会社を従来の成長に戻すのが我々の一義的な役割だ」として、答えを避けた。
代わりに西川氏が、不正が繰り返された背景として強調したのが、「現場の不手際」だ。「工場長から部長、課長から係長へと指揮命令が伝わっていたが、その過程で課長と係長のコミュニケーションのギャップが大きかった」と話した。
ただ、不正が誰の目にも明らかになってからも、国内の組み立て工場全6工場のうち4工場で漫然と不正が続いていた事態は、「現場の不手際」だけでは説明が難しい。記者会見では、国交省に届け出が必要な工場の生産ラインを変更し、本来の検査のラインではない場所で車両の完成検査を実施してきたこともわかった。根深い法令軽視の姿勢が浮き彫りになっている。
朝日新聞社
一言コメント
社会的に大きな問題に発展する日産、この窮地をどう脱するか。
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