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<JR九州>駅無人化を5年で推進 県庁所在地近郊で


無人化◇路線存続 議論加速も

JR九州の青柳俊彦社長は4日、毎日新聞のインタビューに応じ、今後5年で大分市など九州各県の県庁所在地の近郊駅に遠隔操作で乗客の安全を見守るスマートサポートステーション(SSS)を導入し、駅の無人化を進める方針を明らかにした。また、九州北部豪雨で一部不通の日田彦山線を含め、路線を維持するか、バスなど他の公共交通機関へ切り替えるかなど路線別収支を沿線自治体に初めて示して議論を加速させる考えも示した。【石田宗久】

背景には、少子高齢化や高速道路の整備でローカル線の利用者減少がある。JR九州は今月25日で上場1年を迎えるが、鉄道事業の実質的な赤字を流通や不動産事業で補う経営構造は変わらず、株主の理解を得るためにも鉄道事業の合理化、見直しが欠かせないとしている。

SSSは、主要駅近郊のサポートセンターでオペレーターが複数の防犯カメラで駅構内を監視し、インターホンで乗客に対応する。既に福岡県の香椎、筑豊両線に導入しており、来年3月には大分市の駅で取り入れる計画だ。青柳社長は「利用者からは使い勝手がいいと評判で、サービス向上につながっている」と強調。今後、投資効果を見極めつつ熊本や長崎、鹿児島などへ拡大させる。

JR九州が今年7月に初めて明らかにした在来線の路線・区間別の利用状況(2016年度)によると、国鉄分割民営化で同社が発足した1987年度実績と比べて利用者が最大8割減少した。青柳社長は「利用状況を公表して『こんなに減っているとは知らなかった』と言われる。鉄道を残した方がいいのか、軽便な交通機関の方がいいのか。公共交通機関の維持を地域で議論しなければローカル線は破綻する」と強調した。今後、路線・区間別収支を沿線自治体に伝達する方針だ。

ただ、ローカル線は地域の足であり、豪華寝台列車「ななつ星in九州」や観光列車の貴重な運行ルートでもある。青柳社長は「ネットワーク維持のため、地元の皆さんと協力して地域を活性化したい」とも語った。

一方、九州北部豪雨で被災した日田彦山線の復旧については、11年の新潟・福島豪雨で被害を受けたJR東日本の只見(ただみ)線で、鉄道施設を地元が復旧させて所有し、JR東日本が運行する「上下分離」方式で関係者が合意したケースも参考にする。

災害で被災したローカル線の復旧を巡っては、鉄道軌道整備法は政府の支援対象を赤字事業者に限定している。自民党は条件付きで黒字事業者も対象にする改正案を今秋の臨時国会に提出する予定だったが、衆院解散で棚上げとなった。連結経常損益が黒字のJR九州としても適用を求める方針だった。

 

毎日新聞

 

 

一言コメント
路線を維持するためのJRなりの努力でしょう。駅がなくなるよりはいいことだ。


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