「温泉効果」医学的に検証へ 五輪メダリストなどが協力 実証で合宿誘致目指す 大分県別府市
- 政治・経済
- 2017年10月5日
大分県別府市は、西別府病院(同市鶴見)と連携し、トップアスリートを対象にして温泉入浴効果の検証に乗り出した。市によると、これまで「温泉が疲労回復などに効果がある」ということは感覚的なものでしかなかった。それを医学的な観点から実証することで、温泉湧出量日本一の同市への合宿やキャンプ誘致につなげる狙い。
検証に参加するのは、今年の世界パラ陸上ロンドン大会銅メダリスト・中西麻耶選手や大分トリニータのサッカー選手ら約30人。各選手は約2週間、消費カロリーや筋肉量などが測定できる器具を装着し練習後に入浴する。
最初の1週間はいつもの入浴方法で、後の1週間は市が指定した市営温泉で、時間や入浴前の水分補給など一定の条件の下で入る。その後、同病院スポーツ医学センターでメディカルチェックを受ける。
9月27日には北京五輪陸上男子400メートルハードルに出場した成迫健児選手(33)=佐伯市役所=が、同センターの松田貴雄医師から、入浴方法や入浴と睡眠の関係などの指導を受けた。
成迫選手は「温泉が疲労回復に影響することを松田医師から医学的なデータを基に教えてもらった。これからは風呂の入り方に注意して、いつも万全な状態で試合に臨めることを自分の武器にしたい」と話した。
同センターは11月25、26日にトップアスリートのリカバリーをテーマに別府市で開かれる「別府ONSENアカデミア2017」の分科会で検証結果を報告する。
市は今後、温泉が疲労回復だけでなく、ウオーミングアップやストレッチに与える影響などの検証も視野に入れている。市文化国際課の杉原勉課長は「19年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会など今後、日本ではスポーツのビッグイベントが続く。別府の宝である温泉に磨きをかけ、国内外にアピールしていきたい」と話している。
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結果報告が楽しみだ。
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