<チケット詐欺>ご用心!「結びつきやすい」SNSを悪用
- 詐欺・悪徳商法
- 2017年9月13日
入手困難なアイドルのコンサートチケットを巡り、ファンらがツイッターなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて購入代金をだまし取られる被害が相次いでいる。利用者が互いに直接やりとりできて結びつきやすいSNSの特性を悪用しているとみられ、最近はファン同士がだまし合う事件も相次ぐ。過熱するチケット争奪戦につけこんだ手口で、警察は若い女性に被害が目立つとして注意を呼びかけている。【宮崎隆】
「嵐のチケット売ります」。昨年11月3日ごろ、ツイッター上に人気アイドルグループ「嵐」のコンサートチケットを売ると書き込み、東京都内の女子大生から代金約2万6000円を詐取する事件があった。警視庁は今年5月に相模原市の無職少女(当時18歳)を詐欺容疑で逮捕。少女は「2年前に自分もだまされた」と供述した。
福岡県警も4月、嵐のチケットを入手するためツイッターで知り合った女性に別の日のチケットと交換を持ちかけ、2枚(計1万7000円相当)を詐取したとして広島市の女子大生(同19歳)を逮捕。この女子大生も「自分も同じ手口でだまされた」と供述した。
警察庁によると物品購入を持ちかけ代金をだまし取る詐欺事件は今年1~6月に全国で計4615件発生。このうちインターネットオークション以外が手段の事件は計3878件で、2013年同期の2倍以上になった。かつてはネットオークションを使う手口が主流だったが、近年はSNSが使われることが増えているという。
また、今年3月の1カ月間で認知した物品購入に絡む詐欺事件675件を分析すると、購入を持ちかけた物品はコンサートなどのチケットが81件と最多。このうち67件ではSNSやインターネットの掲示板にアクセスしたことがきっかけで被害に遭っていた。被害者の多くが29歳以下の女性だったという。
芸能界関係者によると、人気アイドルのコンサートチケットは公式ファンクラブに入会していても入手が困難で、1枚数十万円で転売されることもある。親子で嵐ファンという福岡市の主婦(50)は「ファン同士がツイッターなどでチケットを売り買いしていることは知っているが、会ったこともない人から買うのは怖い」と話す。
トラブル急増を受け、主催者側もチケット購入者のスマートフォンにチケット情報を送って入場時に確認する「デジタルチケット」を導入するなどして対応するが手探り状態だ。アイドルに詳しい上武大の田中秀臣教授(経済学)は「SNSはファン同士の結びつきが容易になる一方、詐欺事件や違法な転売に悪用される危うい側面もあることを知ってほしい」と話している。
一言コメント
転売できないシステム作りがんばってほしい。
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