タクシー強盗 ガストで改心し、自首する。
- 政治・経済
- 2017年7月14日
兵庫県姫路市の路上に停車中のタクシー車内で、運転手から金を奪おうとして男(25)が逮捕された強盗未遂事件で、被害にあった男性運転手(66)=同県明石市=が20日、産経新聞の取材に応じ、「怖かったが、きちんと反省して、人の道を外れることなく改心してほしい」と振り返った。
「金ださんかい」
19日未明、タクシー料金約1万5千円を請求した直後、男性運転手は後部座席に乗っていた客の男に突然、
髪の毛をわしづかみにされ、顔面に毛抜きを突きつけられて脅された。
男性運転手によると、男は18日深夜、明石市内のJR西明石駅前でタクシーを呼び止めた。
行き先を尋ねても「姫路まで行ってくれ」「近くまで来たら場所をいう」というだけで、具体的な番地などは告げなかった。
不審に思いながらも、姫路市内までタクシーを走らせ、目的地付近に着いた途端に金を要求してきたという。
興奮気味の男に対し、男性運転手は「悪いことしてるのは分かってるよな」などと説教。
男は次第に落ち着きを取り戻し、自身の生い立ちなどを語り始めたという。
男が「金がなく、ご飯も食べていない。寝る場所もない」と打ち明けたため、近くのファミリーレストランで食事を取ることに。
男はチキンステーキやドリンクバーなど計4点を注文し、「ここまで人に親切にしてもらったのは初めてです」とうれしそうな表情を浮かべた。
同時に、「本当に悪いことをしてしまった」と反省していたという。
男性運転手は男の食事代計2252円を支払い、「まだ仕事があるから」と店を後にした。
通報はしなかったものの、男は19日午後に交番に自首した。
警察から連絡を受けたという男性運転手は、「自首したと聞いて安(あん)堵(ど)した。
まだ若いし、これからは人に迷惑をかけないような人生を歩んでほしい」と話していた。
産経新聞
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