米政府、北朝鮮巡り中国企業と銀行・個人に措置
- 国際
- 2017年6月30日
[ワシントン 29日 ロイター] – 米政府は29日、中国企業1社と中国人2人に制裁を行うと発表した。北朝鮮の核・ミサイル開発を支援したためとしている。また中国の銀行1行が北朝鮮のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与したと指摘した。
制裁の対象企業はDalian Global Unity Shipping Co。資金洗浄が指摘された銀行は丹東銀行(Bank of Dandong)。
制裁対象となった企業と個人は、米国と関連のある企業・個人と取引を行うことが禁止される。
米財務省はウェブサイトに掲載した通知で、丹東銀行は北朝鮮が米金融システムにアクセスするための入り口の役割を果たしてきたと指摘した。当局者によると、同行顧客の米国口座は取引の17%が北朝鮮に関連したものだったという。
ムニューシン財務長官は記者会見で、今回の措置について、北朝鮮の武器開発のための資金源を断つことが目的と説明。また同国を支援している可能性のある企業を引き続き調査しており、追加制裁を行う可能性もあるとした。
今回の措置が中国を標的にしたものではないとの立場も強調し、「引き続き中国と協力する」と述べた。
長官はまた、来週ドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で北朝鮮の資金源を断つ方法について中国などと協議するとした。
米財務省テロ資金・金融犯罪部門の元高官であるアンソニー・ルギエロ氏は、北朝鮮を支援したとして米当局が中国の銀行に措置を講じるのは今回が初めてだとし、欧米企業は丹東銀行との取引を直ちに停止するだろうと指摘した。
また、欧米金融機関が中国企業との取引について、北朝鮮との関連性を一段と厳しく調べる可能性もあるとの見方を示し、「信用のある金融機関は、比較的規模の大きい中国の銀行についても調べるようになるだろう」と述べた。
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