慰安婦合意、蒸し返す韓国 大統領府、再交渉に一時言及
- 国際
- 2017年6月14日
韓国大統領府は13日、慰安婦問題を担当する女性家族相の候補に成均館(ソンギュングァン)大学教授の鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)氏を指名する人事を発表し、「慰安婦問題での韓日合意再交渉など、緊急の懸案を円滑に解決できる」と説明した。大統領府はその後、「合意再交渉」への言及は韓国政府の公式的立場ではないとして取り消したものの、確実に慰安婦問題の蒸し返しに出始めている。
慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意に従い、日本政府は10億円を拠出し、合意当時生存していた7割以上の元慰安婦がすでに現金を受け取っている。この合意について、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は日本側に「韓国国民が受け入れられないのが現状」と伝えるにとどめてきた。ただ、歴史や女性問題が専門の鄭氏は、慰安婦問題を「性奴隷問題」とみなす論文を発表したこともある市民運動家だ。
韓国メディアによれば、安倍晋三首相の特使として13日まで訪韓していた自民党の二階俊博幹事長との会談で文氏は「当事者の元慰安婦のおばあさんらが受け入れていない。この点を韓日両国が直視せねばならない」と強調している。一方、韓国政府が4月、日韓合意は「被害者(元慰安婦)の請求権に影響を与えない」とする答弁書をソウル中央地裁での訴訟に提出していたことが判明し、韓国外務省報道官は13日の定例会見でその事実を認めた。
報道官は慰安婦問題が「1965年の韓日請求権協定では解決されていない」と韓国政府の立場を述べ、日韓合意後も元慰安婦の対日個人請求権は存在するとの考えを示した。韓国では与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表が、二階氏との会談で慰安婦に対する日本の明白な謝罪と合意の再交渉を求めたことを、自らフェイスブックで明らかにしている。難航の末の政府間合意から1年半がたったにもかかわらず、韓国側は慰安婦問題の解決を認めようとしていない。
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