<東大阪市汚職>健康部参事を収賄容疑で逮捕
- 公務員
- 2017年6月1日
◇便宜見返りに50万円 贈賄容疑で造園工事会社社長逮捕
東大阪市が発注予定の工事を巡って便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、大阪府警は31日、市健康部参事、築山秀次容疑者(59)=東大阪市新池島町1=を収賄容疑で、同市日下町7の造園工事会社「ホソカワストーンズ」社長、細川鉄夫容疑者(68)を贈賄容疑でそれぞれ逮捕した。
築山容疑者の逮捕容疑は、市立総合病院(現・地方独立行政法人市立東大阪医療センター)事務局長だった昨年4月上旬、同病院1階ロビーの庭園整備工事を同社に受注させる約束をした見返りとして、市内の飲食店で細川容疑者から現金50万円を受け取ったとしている。府警は認否を明らかにしていない。
府警によると、同社が同月に二百数十万円の見積書を作成し、病院側に提出していた。築山容疑者は当時、2000万円以内の工事の予定価格などを設定できる立場だった。受け取った現金は趣味の旅行代金に充てたとみられる。
築山容疑者は2003年度から昨年まで、途中1年間を除いて病院事務局に勤務。細川容疑者は十数年前から同病院の庭園整備業務に携わっており、府警は両容疑者が仕事を通じて付き合いを深めたとみている。【戸上文恵、道下寛子】
◇東大阪市職員、相次ぐ事件
東大阪市や市立東大阪医療センターを巡っては近年、職員が収賄や業務上横領などの疑いで逮捕される事件が相次いでおり、市民らから批判が上がるのは必至だ。
同センターでは昨年、患者への還付金支払い名目で病院の金を不正に取得したなどとして、府警が元職員の男(58)を詐欺や業務上横領の疑いで逮捕。当時、築山容疑者が事務局長として対応にあたった。センターが設置した外部調査委員会は、元職員が2013年2月から16年7月にかけて約1億4500万円を不正に取得したと認定。元職員が長年異動せず同じ職場にいたことなどを組織的な要因と指摘した。
また15年11月には、市が発注した学校の耐震補強工事で業者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして、建築部の元政策推進担当官(部長級)の男(58)が収賄容疑で逮捕された。同年10月には市職員でつくる親睦会費を着服したとして、元道路管理室次長(課長級)の男が業務上横領容疑で逮捕された。
ある市議は「組織としての緩みがあることは明白だ」と厳しく指摘した。
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